闇夜に浮かぶ織田信長と安土城、青紫色の炎が神秘的に演出する伝統花火
闇夜に浮かぶ織田信長と安土城、青紫色の炎が神秘的に

滋賀県近江八幡市上田町の篠田神社で4日夜、伝統の技法で作られた仕掛け花火が奉納され、五穀豊穣と地域の安寧を祈る「篠田の花火」が行われた。今年は安土城築城開始450年をテーマに、和洋2種の技法で描かれた図柄が闇夜に浮かび上がった。

江戸時代に始まった伝統行事

この行事は江戸時代に雨乞いの返礼として花火を奉納したのが始まりとされる。篠田の花火保存会が中心となり、毎年その年の話題からテーマを決めて図柄を考案。3月下旬から住民が連日、輪番で集まって準備を行ってきた。

築城450年記念の特別な図柄

和火の図柄は、安土城と甲冑姿の織田信長。硫黄やミョウバンなどの練り物をのりで杉板に貼り付け、高さ約7メートル、幅約10メートルの立て板に組み立てた。一方、色鮮やかな洋火は、えとの午の飾り「ダシ」を据えた左義長の図柄で、火薬を詰めた小さな筒を細く割った竹で組んだ下絵に沿って導火線でつないだ。

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打ち上げ花火に続いて4基の大太鼓が宮入りし、洋火、和火の順に点火。火を噴きながら途中で止まったり逆方向に進んだりする「綱火」で和火に点火され、立て板の上で勢いよく回る花火「舞火」の勢いが収まると、宵闇に青紫色の線画が浮かび上がった。今年は新型コロナ禍以降取りやめていた、点火の合図に爆音が鳴る花火も再開された。

保存会の願い

保存会の隠岐徹代表理事(65)は「洋火は左義長の細かいところまでうまく表現できたと思う。今年は舞火の作り手を公募したところ、結構集まってうれしかった。少しでも関心を持ってくれる人を広げ、作り手の育成につなげたい」と語った。

なお、「篠田の花火」とともに「近江八幡の火まつり」(国選択無形民俗文化財)を構成する「左義長まつり」が今秋、築城450年記念に発祥の地の安土城下に“里帰り”する計画があり、今回の仕掛け花火のテーマに選ばれた。

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