石原宏高環境相は1日、熊本県水俣市での記者会見において、水俣病患者から要望されていた福祉支援の拡充に関し、前日の懇談で自らが対応する意向を示したことについて、「(本人が)目の前にいたので発言したが現実は難しい」と述べた。これに対し、患者側からは「発言には責任を持ってほしい」などと反発の声が上がっている。
懇談での発言と会見での修正
石原氏は4月30日の懇談で、胎児性患者の金子雄二さん(70)を支援する加藤タケ子さん(75)を前に、水俣市の障害者支援事業で訪問入浴介護費の給付を申請したが却下された事案を念頭に、「私の方から市長にお話をさせていただきたい」と述べていた。懇談前には金子さんと面会し、金子さん側の要望に対し「事務方が(市長に)伝えています」と応じていたという。
しかし1日の会見で、この件について「市長に何を伝えたいか」と問われ、「金子さんの前だったので市長にお聞きしますと言ったが、現実はなかなか難しい話」と述べた。加藤さんは取材に対し、「大臣であるからには発言に責任を持って対応してほしい」と憤りをあらわにした。
患者側の反応と今後の課題
水俣病を巡っては、国による認定基準の厳しさや支援の不十分さが長年指摘されてきた。今回の石原氏の発言は、患者らにとって期待と失望が交錯するものとなった。加藤さんは「大臣の言葉を信じていただけに残念だ。今後も粘り強く訴えていく」と語った。
環境省は水俣病対策として、医療費の支給や福祉事業を実施しているが、患者団体からはさらなる拡充を求める声が絶えない。石原氏の発言の真意や今後の対応が注目される。



