鎌倉市議会「袋とじ会議録」全て非公開に、情報公開審査会が再検討求める答申
鎌倉市議会「袋とじ会議録」非公開、審査会が再検討求める

神奈川県鎌倉市の情報公開・個人情報保護審査会が、市議会の秘密会の会議録を全部非公開とした決定について、「対象文書の内容を確認の上、改めて公開・非公開の決定を行うべきだ」とする答申を出した。市議会に対して、文書の内容を確認せずに非公開とした判断を改めるよう求める内容となっている。

秘密会議録の公開請求を巡る経緯

答申によると、2012年6月の秘密会議事録について、2023年9月に行政文書公開請求が行われた。これに対し、市議会は同月中に「全部非公開」とする決定を下した。公開請求者は翌月、処分取り消しを求める審査請求を行い、諮問を受けた審査会が調査を開始した。

審査会が市議会に会議録原本の状況を問い合わせたところ、議会側は「秘密会の会議録と思われる袋とじ」が存在するものの、内容確認には開封が必要であり、秘密会会議録の存在を確認できなかったと回答。審査会は会議録の存否や内容を確認できないままとなった。

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審査会の答申内容

審査会は答申で、議会側に対して秘密会の秘密性が継続しているかどうかを検討し、公開・非公開を決めるのが相当だと指摘。「付言」として、市情報公開条例では審査会の文書提示要求を「拒んではならない」と規定されていると強調した。

市議会の対応

市議会議事調査課は取材に対し、審査会の求める文書を示さなかった理由について「秘密性が継続しているため開封できなかった」と説明。中沢克之議長は、答申への対応などを巡り、今後各会派の代表者間で話し合うとしている。

インカメラ審理の仕組み

情報公開・個人情報保護審査会は、情報公開の請求に対する不服申し立てを第三者的立場から公正・中立的に審議する機関。国の審査会は15人(常勤5人)の委員で構成され、鎌倉市は5人の学識者で構成されている。

審査会は機微な内容の文書も、公開請求者や一般には内容を伏せて調べる「インカメラ審理」を行う。審査会設置法や鎌倉市情報公開条例には、審査会の資料提供要求は拒めないと明記されている。

国の審査会で2011年に弁護士初の常勤委員となった森田明弁護士は、防衛情報なども含め「国レベルで審査会に資料が出てこなかった例は承知していない」と話す。日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間とりまとめ等の一部開示決定に関する答申(2012年)では、諮問から1年以上経っても外務省が文書を示さなかったが、「最終的には審査会に文書が示された」という。

森田氏は「インカメラ審査は、公開・非公開を決める権限を持つ『実施機関』が非公開としたいものも例外的に確認する制度。審査会が資料を見ても、直ちに市民に公開するわけではない」と仕組みを説明。その上で「自治体の議会や教育委員会など独立性の高い機関が自らの論理を優先しようとするケースもあるが、市議会も『実施機関』であり、行政機関と同じ扱いになる」と指摘している。

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