千葉県船橋市の特産品であるニンジンの中でも、特に甘みが強いことで知られる「ベーターキャロット」の出荷が、4月24日に始まりました。このニンジンは、β-カロテンの含有量が通常のニンジンよりも多く、その豊かな甘さが特徴です。しかし、病気に弱い性質や連作障害などの栽培上の難しさから、生産農家は現在わずか3軒にまで減少しています。約20年前には20軒ほどあった生産農家も、次々と栽培を断念せざるを得ない状況となりました。
生産農家の現状と努力
24日には、2軒の農家が前日に収穫した335箱(1箱10キログラム入り)を、船橋市地方卸売市場に持ち込みました。今シーズンは、5月中旬までに3軒の農家で合計約50トンの収穫を目指しています。市川市農協ベーターキャロット組合の石神辰巳組合長(58)は、「手ごわい病気があり、いくら手間とコストをかけても何割かを破棄せざるを得ない状態だ」と説明しながらも、「今年は春の暖かさで生育は順調です」と笑顔を見せました。
地域団体商標としての認定
船橋市では都市農業が盛んで、2013年には「船橋にんじん」が特許庁の「地域団体商標」に認定されました。ベーターキャロットもその一部として、地域のブランド価値を高めています。しかし、病気への弱さや連作障害、さらには農家の高齢化といった課題が、生産を持続する上での障壁となっています。
農家の思いと消費への期待
生産農家の人たちは、「手間ひまかけて育てたベーターキャロットの甘さを、ぜひ多くの人に味わってほしい」と話しています。限られた生産量ではありますが、その品質の高さから、地元の市場や消費者から高い評価を得ています。今後も、栽培技術の向上や後継者育成など、生産基盤を強化する取り組みが求められています。



