杉並区の障害者雇用問題、区は5年以上前から認識か
東京都杉並区の障害者団体連合会が、区から受託した障害者施設の清掃作業で、知的障害などのある人を東京都の最低賃金の半額程度で働かせていた問題で、杉並区が少なくとも5年以上前から雇用契約のあり方を問題視していた可能性が高いことが、東京新聞が入手した連合会の文書で明らかになりました。
区の指示で契約書から通知書に変更
東京新聞が入手したのは、連合会が2021年3月31日付で清掃員に示した「契約書類の変更について」という通知です。当時の連合会会長名で、「今まで雇用契約書の更新を続けてきましたが、今年区役所の指示により、契約書ではなく、業務内容通知書になりました」と記されています。
区と連合会によると、同会は2002年から2025年3月まで、区から運営と清掃を受託した障害者交流館で「訓練就業」と称して複数の清掃員を最低賃金未満で働かせていました。記録が残る2013年以降は最低賃金の半額程度しか支払っていなかったことが確認されており、2025年7月に新宿労働基準監督署から是正勧告を受けています。
区の説明と矛盾する内部文書
業務内容通知書の内容は実質的な労働契約でした。区は調査報告書で、業務内容通知書について、2023年9月に区議会で問題を指摘された後に「初めて把握した」と説明しています。しかし、連合会の通知によれば、もともと「雇用契約書」だった書面を、区が「通知書」に変更させたことになります。
東京新聞は清掃員が保管していた変更前の雇用契約書を入手。さらに、当時の連合会会長が2021年の通知を出す5日前、区OBの連合会幹部と雇用契約書について打ち合わせたとする会側の資料も確認しました。区は取材に対し、「区が書面を変更させたという事実は把握していない」と説明し、当時の会長も「覚えていない」と話しました。
内部関係者の批判
内部から問題を追及してきた連合会関係者は、「区は清掃員の労働者性を指摘されないよう、『雇用契約書』という言葉を外し、表面だけを取り繕おうとしたのではないか」と指摘。「その時点で最低賃金以上を払うよう連合会に求めるべきだったし、応じなければ委託を打ち切るべきだった」と批判しています。
区は2025年3月に連合会への清掃作業の委託を打ち切り、障害者による清掃も終了しましたが、障害者交流館の運営は引き続き委託しています。



