ウズラ農協の不正支出問題 代表理事ら4人に約4870万円の賠償命令
愛知県豊橋市のウズラ農家で構成される「豊橋養鶉(ようじゅん)農業協同組合」をめぐる不正支出訴訟で、名古屋地裁豊橋支部は2026年3月25日付の判決において、代表理事の男性ら4人に対し、組合に対する約4870万円の損害賠償支払いを命じました。この訴訟は、組合員2人が代表理事ら6人を相手取り、約15億3600万円の損害賠償を求めた代表訴訟として提起されました。
不正支出の詳細と裁判所の認定
判決によれば、代表理事らは2014年から2020年にかけて、理事会の承認を得ることなく、以下のような不正な支出を行っていたことが明らかになりました。
- 代表理事が代表取締役を務める組合の子会社から、役員報酬を受け取っていたこと。
- 代表理事自身が経営する農場に対し、「販売協力金」や「生産協力金」といった名目で、組合からの支払いを継続していたこと。
これらの行為は、組合の財産を不当に流出させ、組合全体に重大な損失をもたらしたと裁判所は認定しました。その結果、代表理事ら4人に対して、計約4870万円の賠償責任が課せられることとなりました。
双方の反応と今後の展開
被告側の弁護団は、「来週までに控訴するかどうかの方針を決定する」と述べ、判決内容を精査した上で対応を検討する姿勢を示しています。一方、原告側は「裁判官に原告側の思いが十分に伝わらず、机上の空論のような審理に終始したことに不満を感じている」として、控訴する意向を明確にしました。
この訴訟は、組合のガバナンスの欠如と内部統制の不備を浮き彫りにしたケースとして、地域の農業協同組合関係者に大きな衝撃を与えています。豊橋養鶉農業協同組合には18軒の農家が加盟しており、豊橋市の特産品であるウズラの卵を生産することで知られていますが、今回の判決は、組合の運営体制の見直しを迫る結果となりました。
今後の法的手続きや組合の再建策が注目される中、地域のウズラ産業への影響も懸念されています。関係者は、透明性の高い運営の回復と組合員間の信頼関係の再構築が急務であると指摘しています。



