宮崎県高鍋町の竹鳩橋、長年の課題を乗り越え架け替え事業が始動
宮崎県高鍋町の小丸川に架かる老朽化した「竹鳩橋」の架け替え事業が、ついに本格化することになった。町議会は3月19日の本会議で、橋の設計費などを含む総額109億9700万円の2026年度一般会計当初予算を可決した。この決定により、長年町政の課題とされてきた同橋の架け替えは、2038年度の完成を目指して動き出す。
老朽化と安全面の懸念が背景に
竹鳩橋は1959年に架設された全長216メートルの潜水橋で、大雨による増水時には通行止めとなる。中央線のない1車線のため、車は片側交互通行で行き交う構造だ。東九州自動車道高鍋インターチェンジ近くの町道に位置し、同ICを利用する車や、隣接する木城町、川南町との間を行き来する車の利用が多く、通学路としても機能している。
橋の老朽化に加え、安全面や利便性向上の要望から、1997年には高鍋町、木城町、川南町の3町で、架け替えなどを目指す期成同盟会が設立された。しかし、財政負担の大きさなどが障壁となり、事業化は長年実現しなかった。
防衛省の補助金活用で財政負担を軽減
2024年、高鍋町は改めて2車線で歩道を備えた全長540メートルの橋への架け替え費用を約49億円と試算。隣接する新富町に航空自衛隊新田原基地があることから、防衛省による施設周辺整備への補助金を活用する事業計画を発表した。実現すれば、補助率は事業費の7割に達し、残る3割の半分も特別交付税で措置されるため、町費負担は約8億円に抑えられると見込まれている。
今回可決された当初予算では、橋梁の設計費など計1億800万円が盛り込まれた。事業期間は来年度から13年間を見込んでおり、着実な進捗が期待される。
議会での反発を乗り越え予算可決
一方、町議会定例会では反発の声も上がった。議会が要望した架け替え事業に関する住民向け説明会の開催に、黒木敏之町長が応じなかったことを背景に、文教産業建設常任委員会は、架け替え関連予算を除いた当初予算の修正案を提出した。会期中の一般質問で黒木町長が、防衛省へ補助金を申請する前の説明会実施を表明したことで、辛くも原案可決にこぎ着けた経緯がある。
黒木町長は「30年かかったが、期成同盟会の願いがかなった。防衛省と話し合いながら、財政的なリスクのないよう進めていく」と語り、事業への意欲を示した。
この架け替え事業は、地域の交通網の改善と安全確保に寄与するだけでなく、防衛省の補助金を活用した効率的な財政運営のモデルケースとしても注目される。今後、住民説明会を経て、詳細な設計や工事計画が進められる予定だ。



