詐欺被害が過去最悪の3241億円に ニセ警察詐欺が深刻化
警察庁が12日に発表した2025年の詐欺被害に関する暫定統計によると、特殊詐欺やSNSを介した投資詐欺、恋愛感情に乗じたロマンス詐欺の被害総額が前年比62.8%増の約3241億1千万円に達し、過去最悪を更新したことが明らかになった。
特殊詐欺の被害が急増 ニセ警察詐欺が約7割占める
特殊詐欺の認知件数は2万7758件(前年比31.9%増)で、被害額は約1414億2千万円と前年の約2倍に膨らんだ。特に深刻なのが、警察官をかたって捜査名目で現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」で、被害額は約985億4千万円に上り、特殊詐欺全体の約7割を占めている。
ニセ警察詐欺の手口は、「口座が犯罪に使われている」などと告げ、「潔白を証明するため」といった理由で送金させるものが主流だ。被害者は高齢者が多く、巧妙な話術で信用させて多額の現金を引き出すケースが後を絶たない。
SNS型投資詐欺も46%増 50代・60代に集中
SNSを利用した投資詐欺の認知件数は9538件(48.7%増)で、被害額は約1274億7千万円(46.3%増)と急増している。年代別では50代、60代、40代の順に被害が多く、SNSの利用が広がる中で、投資話に乗せられるケースが増えている実態が浮き彫りになった。
特殊詐欺では、ATMやネットバンキングで送金させる「振り込み型」が約6割を占める一方、暗号資産(仮想通貨)をだまし取る手口も増加傾向にある。警察庁は、詐欺グループが新たな技術や手段を次々と取り入れ、被害が高額化・複雑化していると分析している。
対策の強化が急務 国民への注意喚起を継続
警察庁は、詐欺被害の拡大を受け、対策の強化を急いでいる。具体的には、金融機関との連携による不審な送金の監視強化や、SNSプラットフォームとの協力による詐欺アカウントの排除などが挙げられる。
また、国民に対しては、不審な電話やメッセージに応じないよう注意を呼びかけるとともに、高齢者を対象とした啓発活動を強化する方針だ。詐欺手口が巧妙化する中、個人の警戒心を高めることが被害防止の鍵となるとしている。
今回の統計は暫定値であり、今後の調査でさらに被害額が増加する可能性もある。警察庁は、2026年も詐欺被害が深刻化する恐れがあるとして、早期の対策を求めている。



