詐欺被害額が過去最悪の3241億円に 特殊詐欺とSNS型詐欺が急増
2025年の特殊詐欺および交流サイト(SNS)を介した投資詐欺とロマンス詐欺の被害総額が、前年比62.8%増の約3241億1000万円に達し、過去最悪を更新したことが明らかになった。警察庁が12日に発表した暫定値によるもので、深刻な社会問題として浮き彫りとなっている。
ニセ警察詐欺が被害の約7割を占める
特殊詐欺の中でも、警察官をかたって捜査名目で現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害が顕著に増加している。この手口では、警察官を装う人物が電話で「口座が犯罪に使われている」などと告げ、「潔白を証明するため」といった理由で送金を促す。
被害額は約985億4000万円に上り、特殊詐欺全体の約7割を占めた。特にインターネットバンキングを利用した送金による被害が高額化しており、対策が急務となっている。
幅広い年代がターゲットに 被害に歯止めがかからない状況
被害者の年代別では30代が最も多いものの、若者を含む幅広い年齢層がターゲットとなっている。このことから、詐欺グループが多様な層にアプローチする巧妙な手口を駆使している実態が浮かび上がる。
特殊詐欺の認知件数は2万7758件(前年比31.9%増)で、被害額は前年の約2倍に当たる約1414億2000万円に達した。手口の内訳では「振り込み型」が約6割を占め、暗号資産をだまし取るケースも増加傾向にある。
1件当たりの被害額が大幅に増加
1件当たりの平均被害額は前年から約171万円増え、約521万円となった。この数値は、詐欺の手口がより高度化し、一度に多額の金銭をだまし取る事例が増えていることを示唆している。
警察庁は、これらのデータを基にさらなる対策強化を進めるとともに、市民への注意喚起を継続的に行う方針だ。特にインターネットを利用した金融取引が増える中、個人情報の保護や不審な電話への対応についての啓発活動が重要視されている。
社会全体で詐欺被害防止への意識を高め、対策を講じることが急務となっている現状が、今回の統計結果から明確に浮かび上がった。



