日野町事件の再審公判へ3者協議、検察側は立証方針を示さず
滋賀県日野町で1984年に発生した酒店店主殺害事件、通称「日野町事件」の再審公判に向けた第2回3者協議が19日、大津地裁で開かれた。裁判官、弁護団、検察が参加し、検察側は立証方針を示さず、次回6月19日の協議で明らかにするとした。
この事件では、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に死亡した阪原弘さんの「死後再審」が2月に決定。再審無罪となる公算が大きい。非公開の協議では、検察側が有罪に向けた立証を行うかが焦点となっていたが、弁護団によると検察側は「検討中」として態度を明確にせず、次回協議で口頭で方針を示すと伝えたという。
早期の無罪判決確定を求める弘さんの長男弘次さんは協議後の記者会見で、「失望した。待つつらさを検察官が分かっているのか。怒りすら覚える」と述べた。検察が有罪立証すれば審理の長期化は避けられないことから、長女の美和子さんは「待って待って父は亡くなった。いたずらに延ばすのはやめて」と訴えた。
大津地検の萩原良典次席検事は「本件の経過などに鑑み、再審公判が迅速に行われるべきことは十分認識している」とコメントした。
事件では、酒店の常連客だった阪原弘さんが公判で「自白を強要された」と無罪を訴えたが、無期懲役が確定。2011年に75歳で病死した。遺族による再審請求で、2月に最高裁が再審開始を認めていた。
協議の詳細と今後の見通し
第2回3者協議では、検察側の立証方針が最大の焦点だった。弁護団は早期の無罪判決を求めており、検察が有罪立証を断念すれば、公判は短期間で終了する可能性がある。しかし、検察が有罪立証を続ける場合、証拠の再評価や新たな証人尋問が必要となり、審理長期化は避けられない。
遺族は、弘さんの無実を証明するため、再審公判の早期実現を強く望んでいる。弘次さんは「父は無実を訴え続けた。その思いを無駄にしないでほしい」と述べ、検察の迅速な対応を求めた。
次回6月19日の3者協議で、検察側の立証方針が明確になる見通し。今後の再審公判の行方が注目される。



