ランクル専門窃盗団を一斉摘発 関東広域で約50台被害
トヨタ自動車の人気高級SUV「ランドクルーザー」を盗んだとして、警視庁と茨城県警、埼玉県警は2月19日までに、窃盗の疑いでブラジル国籍の男3人を逮捕しました。容疑者らは昨年2月以降、関東地方を中心とする1都7県で最新式のレクサスやランドクルーザー約50台の窃盗に関与したとみられ、大規模な窃盗団の摘発として注目を集めています。
千葉県浦安市で高級車盗難事件
逮捕されたのは、茨城県常総市に住む職業不詳のペルドモ・エメルソン・ルイス容疑者(46)ら男3人です。逮捕容疑は昨年12月5日午前3時ごろ、千葉県浦安市の住宅敷地内に駐車されていたランドクルーザー(時価約850万円)を盗んだとされるものです。
捜査関係者によると、容疑者らは深夜から未明にかけて住宅街を巡回し、高級車が駐車されている場所を物色していたとみられています。被害車両は最新モデルのランドクルーザーで、防犯性能が高いにもかかわらず、短時間で解錠されていたことから、専門的な手口が用いられた可能性が指摘されています。
CANインベーダーを押収 高度な技術犯罪の疑い
警視庁は容疑者らの関係車両から、車両の制御システムに侵入して電子鍵を無効化する特殊機器「CANインベーダー」を押収しました。この機器は自動車の内部通信ネットワーク(CANバス)に接続し、不正に解錠や始動を行うことができるとされる最新の盗難ツールです。
捜査幹部は「従来の窓ガラス割りや鍵穴いじりとは異なり、高度な技術を駆使した組織的な犯行だった」と指摘。押収された機器の解析を通じて、同様の手口による他の窃盗事件との関連性を調べています。
関東1都7県で被害拡大 組織的窃盗網の全容解明へ
警察の調べでは、この窃盗団は昨年2月以降、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県の1都7県で活動していたとみられています。被害に遭った車両は最新式のランドクルーザーやレクサスなどの高級SUVが中心で、総数は約50台に上ると推定されています。
被害車両の多くは住宅街の路上や駐車場から盗まれ、中には盗難後数時間で海外へ輸出されるケースもあったといいます。警察は国際的な盗難車転売ルートとの関連も視野に、背後関係の解明を急いでいます。
容疑者らは一貫して否認 国際捜査協力の必要性
逮捕された3人の容疑者は、いずれも窃盗容疑を否認しており、詳細な犯行経路や動機については明らかになっていません。警察は容疑者らのスマートフォンや通信記録の解析を進めるとともに、ブラジル本国の警察当局との国際捜査協力も検討しています。
近年、高級車を標的とした組織的な窃盗事件が増加しており、警察関係者は「CANインベーダーなどの新しい盗難ツールの流通を阻止するため、輸入規制の強化や自動車メーカーとの連携が必要だ」と強調しています。
今回の逮捕を受けて、警視庁をはじめとする関東の警察当局は、同様の手口による未解決事件の再調査に乗り出す方針です。また、高級車所有者に対しては、追加の防犯装置の取り付けや車両の保管方法の見直しを呼びかけています。



