岐阜県で自動車盗難が急増、過去7年間で最多の173件を記録
岐阜県内において自動車の盗難被害が深刻な状況となっている。県警察が昨年1年間に認知した件数は173件に上り、前年よりも46件増加した。これは直近7年間で最も多い数字であり、今年1月も9件の被害が発生していることから、県警は車の所有者に対して複数の防犯対策を講じるよう強く呼びかけている。
被害総額約8億円、返還率は15.6%と低調
県警の発表によると、自動車盗難による被害総額は約8億円に達している。しかし、被害車両が所有者に返還されたのは27件のみで、全体の15.6%にとどまっている。被害車両の内訳を見ると、乗用車が135件と最も多く、貨物自動車と特殊自動車がそれぞれ6件ずつだった。
特に海外で人気が高いランドクルーザーやプリウス、アルファードなどの車種が狙われている傾向が確認されている。被害が発生した場所としては、自宅周辺が60%を占め、店舗駐車場が17%となっている。
9割が無施錠状態、CANインベーダーなどの手口が横行
県警の調査では、盗難被害に遭った車両の約9割が鍵がついていない状態だったことが判明している。犯行手口としては、電子キーを使わずに解錠できる「CANインベーダー」などの装置を利用するケースが多く見られる。
盗難された車両は、ヤードで解体されて海外に密輸されるほか、国内で他の犯罪時の交通手段として使用されているとみられている。県警の担当者は「空き巣や事務所荒らしとは異なり、自動車盗難は現場に痕跡が残りにくく、捜査が難しい面がある」と説明している。
防犯対策の効果と販売店への研修実施
県警は、目撃情報や監視映像がある場合には摘発につながりやすいため、駐車場などへのセンサーライトや防犯カメラの設置を推奨している。さらに、ブレーキペダルロックやハンドルロックなどの物理的な防犯グッズも効果的であると強調している。
実際に昨年10月末には、県内で犯人が防犯対策を施された車両を前にして犯行を断念したケースも報告されている。このような背景から、県警は自動車販売店に対して研修会を開催し、車両購入時に盗難防止の重要性を顧客に伝えるよう要請している。
岐阜市内で開催された自動車盗難防止研修会
昨年12月に岐阜市内の自動車販売店で実施された研修会では、県警捜査3課の石原庸祐警部が社員約70人を前に、自動車盗難の実態や最新の手口について詳細な説明を行った。別の警察官がブレーキペダルロックやタイヤロックの装着方法を実演し、車の購入を検討する客に対して防犯対策の必要性を訴えるよう促した。
県警は今後も継続的に啓発活動を展開し、自動車盗難被害の抑止に努めていく方針を示している。車両所有者に対しては、複数の防犯手段を組み合わせることで被害リスクを大幅に低減できるとアドバイスしている。



