大阪府内の特殊詐欺被害が過去最多の137億円に達する
大阪府警察が12日に公表した2025年1年間の特殊詐欺被害状況によると、府内における認知件数は3304件(暫定値)、被害総額は137億円(同)に上り、いずれも過去最多を記録したことが明らかになった。この数値は2021年と比較して、認知件数が2.1倍、被害額は5.7倍と大幅に増加しており、1件あたりの被害額も拡大傾向にある。
オレオレ詐欺が被害を押し上げ、高額被害が相次ぐ
府警の分析によれば、被害急増の主要因は警察官を装い、偽造された逮捕状を提示して金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」の急増にある。この手口による被害は前年比3.7倍の1465件、被害額は99億円に達し、特殊詐欺全体の被害を大きく押し上げた。
特殊詐欺全体では、1億円を超える高額被害が9件発生し、最高被害額は2.7億円に及んだ。1日あたりの被害額は約3800万円という計算になり、認知件数は東京都に次ぐ全国ワースト2位と、深刻な状況が続いている。
還付金詐欺は半減、SNS型詐欺は歯止めがかからず
一方で、「還付金がある」と偽って現金自動預け払い機(ATM)から金銭を振り込ませる「還付金詐欺」は、前年から半減し597件(11億円)にとどまった。これは昨年8月に施行された大阪府条例改正により、高齢者が携帯電話で通話しながらATMを操作することを禁止した効果と見られている。
しかし、「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害は依然として深刻で、認知件数は前年比1.5倍の1509件(暫定値)、被害額は同1.6倍の202億円(同)といずれも過去最多を更新した。
刑法犯全体も4年連続で増加傾向
特殊詐欺を含む刑法犯全体の認知件数は、前年比3.3%増の8万4107件で、4年連続の増加となった。性犯罪では「不同意性交等」が3.1%増の400件、「不同意わいせつ」が1.1%増の850件と増加傾向にあり、スマートフォンの普及に伴う被害者の低年齢化が顕著だという。
府警が昨年認知したSNSを介した出会いを巡るトラブル100件のうち、65件は16歳未満の被害者であった。自動車関連犯罪では、減少傾向にあった「自動車盗」が26.1%増の526件で3年ぶりに増加し、「車上狙い」は2.4%増の3137件、「部品狙い」は8.7%減の2287件で、いずれも全国ワースト1位となった。
府警が詐欺手口体験ツールを開発・公開
近年急増するニセ警察官によるオレオレ詐欺に対応するため、大阪府警は香川大学などと共同で詐欺手口を体感できるLINEツールを開発し、ホームページなどで公開している。この体験ツールでは、ニセ警察官から「無実を証明するため資産調査が必要」と金銭振込を要求され、「誰かに話すと守秘義務違反で処罰される」などと脅される手口を再現。
さらに、相談する時間を与えないよう、スマートフォンで簡単に送金できるインターネットバンキングを利用させる巧妙な手法も描かれている。ツールはニセ警察官詐欺のほか、SNS型投資・ロマンス詐欺や闇バイト応募におけるトラブルなど計5種類を用意。
公開開始の昨年4月から今月5日までに計3万6000回利用されており、府警は「万が一の場合も気付けるよう、実際の手口を体験し備えてほしい」と市民への注意喚起を続けている。



