ヘリコプター預託商法で10億円集金か、高齢者270人被害で一般社団法人会長ら逮捕
警視庁は、ヘリコプターなどの機体所有権を購入すれば賃料を支払うと謳う「販売預託商法」を行ったとして、航空関連事業を行う一般社団法人「S.I.Net会」(東京都千代田区)の会長である61歳の男性(江東区在住)ら3人を預託法違反容疑で逮捕しました。この事件では、25都県に住む高齢者を中心とした約270人から、合計約10億円を違法に集めたとみられています。
逮捕された容疑者と具体的な手口
逮捕は2026年2月11日に行われ、容疑者には同会の会長のほか、グループ企業の航空関連会社「エスアイヘリシス」(現在は破産手続き中)の代表を務める56歳の男性(杉並区在住)らが含まれます。捜査関係者によると、3人は2022年9月から2023年12月にかけて、国の確認を得ずに、埼玉県在住の50代男性ら2人に対し、ヘリコプターと小型機計2機の共同所有権を計7口で770万円で販売しました。契約では、ヘリコプターについては月々1万8000円、小型機については1万2400円の賃料を支払うとされていました。
顧客の平均年齢は73歳と高く、エスアイヘリシスの従業員らは電話勧誘などで、「ヘリコプターの所有は社会貢献につながる」や「10年間機体を所有すれば62万円の利益を約束する」といった甘い言葉を用いて販売を推進していたとされます。しかし、実際には、顧客が購入した機体を別会社に貸し出して賃料を支払うと説明されていたものの、その別会社は実態がない架空の存在だったことが明らかになりました。
消費者庁の対応と自治体との関係
消費者庁は2024年5月、エスアイヘリシスに対し、預託法に基づいて再発防止を求める措置命令を出していました。これにより、同社の違法行為は以前から問題視されていたことがうかがえます。警視庁は、一般社団法人「S.I.Net会」とエスアイヘリシスが一体となって資金を違法に集めたと見ており、組織的な犯行の可能性を指摘しています。
さらに、同会は高知県や千葉県いすみ市などの自治体と、災害時にヘリコプターで物資や人員を輸送する協定を締結していました。このような公的な協定を背景に、信頼性を装って高齢者を勧誘していたとみられ、事件の深刻さを増しています。被害者らは、社会貢献を謳った巧妙な話術に騙され、多額の資金を失ったことになります。
警視庁は現在、詳細な捜査を進めており、預託法違反以外の罪状も含め、さらなる逮捕や立件を検討していると報じられています。この事件は、高齢者を標的とした金融詐欺の危険性を浮き彫りにし、消費者保護の重要性を改めて喚起するものとなりました。



