香取神宮に油状液体をかけた疑いで在米の男を逮捕 10年以上の逃亡経て身柄引き渡し
千葉県香取市の香取神宮で2015年に油のような液体がかけられる被害があり、県警は4日、米国在住で職業不詳の金山昌秀容疑者(63)を建造物損壊容疑で逮捕し、発表しました。金山容疑者は「異議ありません、間違いない」と話し、容疑を認めていると伝えられています。
2015年に発生した建造物損壊事件の詳細
県警の発表によると、金山容疑者は2015年3月25日午後5時過ぎ、香取神宮の拝殿(登録有形文化財)の柱や階段、さい銭箱に油状の液体を散布するなどし、建物を汚損・損壊した疑いが持たれています。この事件は当時、全国各地の寺社で同様の被害が相次いで発覚した一連の事案の一部として注目を集めました。
10年以上にわたる国際的な捜査の経緯
県警は2015年当時、同容疑で逮捕状を取得しましたが、金山容疑者は米国に出国したまま帰国しませんでした。そのため、日本政府は米国に対して犯罪人引き渡し条約に基づく身柄の引き渡しを要請しました。
米国での訴訟資料によると、米国の裁判所で引き渡しの可否が審理され、2023年1月に米連邦地裁が引き渡しを認める決定を出しました。その後、今年1月までに控訴裁、最高裁も地裁の決定を支持し、引き渡しが正式に決定しました。
容疑者の背景と現在の状況
訴訟での弁護側資料によると、金山容疑者は医師として米ニューヨークで診療所を開設する一方、キリスト教系の団体の創立者でもあるとされています。金山容疑者の身柄は米国から日本に引き渡され、4日午後、民間機で羽田空港に到着する予定でした。
県警は、同県成田市の成田山新勝寺での被害についても、建造物損壊容疑で逮捕状を取得しており、再逮捕を視野に捜査を進めるとしています。
事件現場の現在の状況
香取神宮の境内にある宗教施設「神饌殿」では、2015年に発見された油状液体によるシミが現在も消えていない状態が確認されています。木造の建物の扉には点々とシミが残っており、被害の痕跡が明確に残されています。
この事件は、文化財保護と国際的な犯罪捜査の課題を浮き彫りにした事例として、関係者の間で注目を集めています。県警は今後、詳細な動機や背景についてさらに捜査を進める方針です。
