困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(困難女性支援法)に基づく基本計画について、東京都内49区市の約2割に当たる11区市で策定予定がないことが、自治体議員や支援者でつくる「女性支援法を活かす会」の調査で分かった。同会が5月11日に都庁で記者会見し、発表した。2024年4月の支援法施行から2年が過ぎたものの、努力義務とされた基本計画の策定が進んでいない実態が浮き彫りとなった。
調査結果の詳細
活かす会は2025年10~12月、メンバーである自治体議員が所属する議会事務局を通じて、23区と26市を調査。基本計画については、策定済みが15区市、策定中・予定ありが23区市だった。残りの11区市では策定予定がないことが判明した。同会は、計画策定の遅れが支援の地域格差を生むと警鐘を鳴らしている。
支援格差の現状
小野瑞季世田谷区議は会見で、「計画を作っても新たな施策がない区がある一方、作ってなくても女性相談支援員を増やした区もあった。本気度により、支援格差が広がりつつある」と指摘。支援法制定に携わったお茶の水女子大の戒能民江名誉教授は、全国的に格差が広がっているとし、「(基本計画策定など)基盤形成の重要な時期。都道府県から市区町村に十分な援助が必要」と述べた。
法律の背景と今後の見直し
困難女性支援法は、売春防止法に基づく保護更生を目的とした従来の女性支援からの脱却を図るため、当事者中心主義や官民協働の視点を取り入れた法律だ。施行後3年をめどに法律の見直しが行われる予定で、基本計画の策定状況も評価の対象となる見通しだ。
シンポジウムの開催
活かす会などは、5月30日午後1時から、女性支援のあり方を考えるシンポジウム「これでいいのか⁉ 女性支援」を世田谷区の烏山区民会館で開く。参加費は一般990円で、事前申し込みが必要。問い合わせは、くにたち夢ファームJikka(電042-511-5812)へ。
同会は、基本計画の策定が進まない理由として、自治体の予算や人員不足、法律の周知不足などを挙げている。支援団体からは「計画がないと、継続的な支援が難しくなる」との声が上がっており、国や都による積極的な支援が求められている。



