九州大学の研究グループは19日、特定の先天性心疾患患者の手術後に経過観察が必要となる肺動脈弁逆流の重症度評価を、エックス線撮影で高精度かつ簡易に行うシステムを開発したと発表した。この技術は、適切な治療時期の判断や、地域間の医療格差是正に役立つと期待されている。
肺動脈弁逆流とは
肺動脈弁逆流は、心臓から肺へ血液を送る肺動脈弁が完全に閉鎖せず、血液が右心室へ逆流する状態を指す。これは、左右の心室を分ける筋肉の壁に先天的な穴が開いているなどの特徴を持つ「ファロー四徴症」の手術後の合併症として知られている。重症化すれば不整脈や突然死のリスクが高まるため、再手術のタイミングの見極めが極めて重要となる。
従来の診断方法と課題
従来、重症度の診断には超音波検査とMRI検査が用いられてきた。超音波検査は簡便だが、検査者によって精度にばらつきがある。一方、MRI検査は高精度だが、検査可能な施設が限られるという課題があった。
新システムの開発
九州大学は医療機器メーカーのコニカミノルタと共同で、一般的な医療機関で撮影できる胸部エックス線の連続写真から肺動脈内の血液量の変化を読み取り、重症度を診断するシステムを開発した。これにより、高精度かつ簡便な評価が可能となり、適切な治療時期の判断や地域間の医療格差是正に貢献することが期待される。



