小田原市立病院職員、胸部X線検査の異常判定を隠蔽 肺がん疑い含む結果を報告せず
病院職員がX線検査の異常判定を隠蔽 肺がん疑いも (12.02.2026)

小田原市立病院職員が胸部X線検査の異常判定を隠蔽 肺がん疑い含む結果を報告せず

神奈川県の小田原市立病院は2月12日、病院管理局に所属する20歳代の男性職員に対し、減給10分の1(2か月)の懲戒処分を科したことを発表しました。この処分は、職員健康診断における胸部X線検査の読影結果を隠蔽した重大な不祥事に基づくものです。

読影依頼の失念から始まった一連の不適切対応

問題の発端は2024年夏に実施された病院職員610人分の健康診断にまでさかのぼります。男性職員は胸部X線撮影検査について、外部の放射線診断医への読影依頼を完全に失念してしまいました。この重大な見落としは約7か月後の2025年3月、他の職員からの指摘によって初めて明らかになったのです。

上司の指示を受けてようやく読影依頼を行った職員でしたが、さらに問題となる行動を取りました。放射線診断医から返却された判定結果のうち、肺がんの疑いを含む「異常あり」を示すD判定とE判定の存在を故意に隠し、上司への報告を怠ったのです。

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「責められるのがいやだった」という職員の供述

病院側の事情聴取に対して、男性職員は「検査から結果が出るまで時間がかかり、悪い結果が出たことを責められるのがいやだった」と動機を説明しています。この自己保身を優先した判断が、医療機関としての基本的な責任を放棄する行為につながりました。

隠蔽行為が発覚したのは2025年12月、上司が直接D判定とE判定の該当者がいた事実を確認したことによります。これにより、約1年半にわたる不適切な対応の全容が明らかとなりました。

幸いにも重大な健康被害は発生せず

病院の調査によれば、計4人がD判定またはE判定を受けていましたが、結果的に肺がんと診断された人はおらず、別の病状が進行してしまっていた人もいなかったことが確認されています。この点については不幸中の幸いと言えるでしょう。

しかし、医療機関の職員が検査結果を隠蔽する行為は、患者や職員の健康管理に対する基本的な信頼を損なう重大な問題です。早期発見・早期治療の機会を奪う可能性すらあった危険な行為でした。

病院管理者が陳謝と再発防止を約束

川口竹男病院事業管理者は「多くの人の公務への信頼を損ねるもので、深くおわびする」とコメントし、市民への謝罪を表明しました。さらに「チェック体制を強化し市民の信頼回復に努める」と述べ、再発防止に向けた取り組みを約束しています。

この事件は、医療機関内部の管理体制の脆弱さを浮き彫りにしました。単純な事務処理のミスが、適切な報告システムの欠如によって重大な隠蔽行為へと発展した経緯は、あらゆる組織における内部統制の重要性を改めて問いかける事例となっています。

小田原市立病院では今後、二重三重のチェック体制の構築や職員教育の徹底など、信頼回復に向けた具体的な対策が求められることでしょう。医療の質と安全を守るためには、組織全体の意識改革とシステム改善が不可欠です。

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