群馬大病院が県内初の新器具導入 大動脈治療の負担軽減へ
群馬大医学部付属病院(前橋市)は、心臓から出る太い血管である大動脈に生じるこぶ(大動脈瘤)や血管の壁が裂ける病気(大動脈解離)を、体への負担が少ない方法で治療する新しい手術を、2026年3月から県内で初めて導入すると発表しました。この手術は、脚の付け根などから細い管を挿入し、血管内から治療を行う「ステント治療」の一種で、分岐血管の血流を維持しやすい特殊な器具(ステントグラフト)を使用することが特徴です。
分枝血管を守る画期的な器具
大動脈の病気では、治療が必要な部位の近くに、腕や首、脳へ血液を送る重要な分枝血管が存在することが多くあります。従来の治療法では、これらの分枝血管の血流が弱まるリスクがあり、手足のしびれや脳障害などの重い合併症を引き起こす恐れがありました。そのため、血流を確保するために別の血管をつなぎ替えるバイパス手術や、胸を開く大がかりな手術が必要となるケースも少なくありませんでした。
今回導入される新しい器具は、分枝血管の入り口を塞ぎにくい構造を採用しており、血流を保ちながら治療を行うことが可能です。これにより、患者の痛みや術後の回復期間が短縮され、負担軽減が期待されています。病院側は、この技術により治療の選択肢が広がり、より安全で患者に優しい医療を提供できると強調しています。
年間100件超の実績と今後の展望
同病院の循環器外科は、血管内治療を積極的に推進しており、昨年だけで年間100件を超えるステント治療を実施しています。新しい器具の導入により、県内の大動脈疾患患者に対して、従来よりも侵襲の少ない治療オプションを提供し、医療の質向上を図る方針です。2026年3月の運用開始に向けて、準備を進めていると述べています。
この取り組みは、地域医療の進歩を示す事例として注目を集めており、患者の生活の質向上に貢献することが期待されます。群馬大病院は、今後も先進的な医療技術の導入を通じて、地域社会の健康維持に努めるとしています。



