水俣病健康調査、来年度から本格調査へ 環境省が被害者団体に説明
環境省は、2009年に施行された水俣病被害者救済法で規定された被害地域での健康調査に向け、昨年11月から始めた先行調査の結果を熊本県水俣市で被害者団体に説明しました。同省は1日最大4人の実施が可能との見通しを示し、来年度から本格調査に入る方針を伝えました。
先行調査の実施状況と結果
同省によると、先行調査は1月下旬まで実施されました。熊本県天草市と上天草市で無作為に抽出した800人のうち、32人が協力し、国保水俣市立総合医療センターで脳磁計(MEG)や磁気共鳴画像装置(MRI)による検査などを受けました。調査結果は専門家らが分析し、原因物質であるメチル水銀の摂取による人体への影響を調べる本格調査に役立てられます。
被害者団体との意見交換と反発
この日は、環境省の伯野春彦・環境保健部長をはじめ、同省と熊本県、鹿児島県から計10人が水俣市を訪れ、「水俣病被害者・支援者連絡会」の11人と意見交換を行いました。団体側は、八代海沿岸全域での被害の実態解明を求めて調査手法などに反発しており、山下善寛代表(85歳)は「今年は水俣病の公式確認から70年。被害の実態解明につながるような調査にするべきだ」と憤りを表明しました。
環境省は、本格調査の開始に向けて、被害者団体との対話を継続し、調査の透明性と実効性を高める方針です。この取り組みは、水俣病の歴史的な経緯を踏まえ、地域社会の健康と福祉に貢献することを目指しています。



