障害や年齢問わない農業、ホンダ太陽が実証実験拠点開設 独自設備で負担軽減
障害や年齢問わない農業、ホンダ太陽が実証実験拠点

障害や年齢を問わない農業、「ホンダ太陽」が実証実験拠点を開設

自動車部品の組み立てなどを手がける「ホンダ太陽」(大分県日出町)は27日、障害の有無や年齢、経験にかかわらず、誰もが関わりやすい農業のあり方を探る実証実験の拠点を、大分県由布市の農場に開設した。得られた実証結果を基に、将来的には自社農園を設けて事業化を図る方針だ。

独自設備で農作業の負担を軽減

ホンダ太陽は、自動車メーカーのホンダなどが障害者雇用促進のために1981年に設立した特例子会社で、現在も障害者が従業員の6割を占める。工場では、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた設備などを製作し、作業環境の改善に取り組んでいる。

農業分野での今回の試みは、三重県出身で実家が茶農家という鎌田雅仁前社長(現・相談役)が、2020年の社長就任以降、準備を進めてきた。新型コロナウイルスの感染拡大で経営が悪化する中、会社周辺に休耕地が多くあることに気づき、日本の食料自給率の低さや農業従事者の高齢化といった課題解決のためにも、障害者ら多様な人材が働ける農業を新たな事業にできないかと考えたという。

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由布市内に農場を展開する同市の宿泊施設付きレストラン「ENOWA YUFUIN」が趣旨に賛同し、拠点を提供した。農業用ハウス内に、可動式の作業台などホンダ太陽が独自に開発する設備を導入することで、農作業のかがんだり持ち上げたりする動作を減らしながら、イチゴを栽培する。ライチやブラッドオレンジ、バニラビーンズなども育てていく予定だ。

「誰もが働きやすい形に」

ハウス内で27日に行われた記者発表で、ホンダ太陽の山口潤社長は「障害のある皆さんの雇用拡大、自立促進をものづくりを通じてやってきた。積み上げてきた知見を農業に応用し、誰もが働きやすい形に変えていきたい」と述べた。「ENOWA YUFUIN」創業者の平川順基さん(56)は「大分だけでなく、いろんなところに広がっていくように活動を発信し、伴走していきたい」と話した。

ホンダ太陽は、今回の実証実験で得られたデータやノウハウを基に、将来的には自社農園を設け、障害者や高齢者、初心者など多様な人材が活躍できる農業の事業化を目指す。同社はこれまで培ってきたユニバーサルデザインの技術を農業分野に応用することで、農業の持続可能性と誰もが働きやすい社会の実現に貢献したい考えだ。

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