福島県の労働災害、死者8人で前年比減も死傷者は2097人と高止まり
福島県の労災、死者8人減も死傷者2097人と高止まり

全ての労働者が安全で健康に働けるよう、職場環境の改善を果断に進めていくことが重要だ。

福島県内の労働災害状況

福島労働局によると、2025年に県内で発生した労働災害による死者数は8人で、前年より3人減少した。一方、新型コロナ感染を除く休業4日以上の死傷者数は前年比1.7%(35人)増の2097人で、例年とほぼ同程度だった。

死傷者数を業種別で見ると「製造業」の459人が最多で、「商業」「建設業」が続く。事故の種類別では「転倒」が約4分の1を占め、「墜落・転落」「動作の反動・無理な動作」の順となった。

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毎年2000人ほどが事故に遭う状況が続いているのは深刻だ。それぞれの職場で、防止への取り組みを確認する必要がある。これまで仕事中に「ヒヤリ」としたり、「ハッ」としたりした経験がないかなど、危険要因を洗い出して従業員らと共有し、事故の未然防止につなげてもらいたい。

高齢労働者の労災増加

就労意欲の高まりや、企業の人手不足などを背景に働くシニアも増えている。それに伴い、県内でも60歳以上の労災件数が増加傾向にあり、昨年は全体のうち約35%を占めた。工場や商業施設などで働く高齢者で特に多かったのが「転倒」だった。一般的に年を重ねると筋力など身体機能が低くなるため、事故のリスクが高まる。

今後も高齢者の就労は進むとみられる。そうした中、国は高齢者の労災防止を事業者の努力義務とする改正労働安全衛生法を今年4月に施行した。事業者に対し、作業場所での段差解消や照明の明るさ確保といった身体機能の低下を補う設備・装置の導入や、従業員の健康状態の把握などを求めている。

事業者側は高齢労働者の働いている状況を正しく理解し、心身に無理のない就労体制を労使協力の下でつくらなければならない。国も法の趣旨を広く周知すべきだ。

熱中症と酸欠事故への警戒

これからは熱中症にも警戒しなければならない。昨年、県内で業務中の熱中症で4日以上休業した人は51人で過去最多だった。水分・塩分の摂取はもちろん、小まめな休憩の確保や、通気性の良い服での作業といった対策を徹底し、熱中症を予防してほしい。

今月は福島市の下水道マンホールで点検をしていた作業員2人が意識不明で搬送され、うち男性1人が死亡した。マンホール内が酸欠状態だったとみられ、労災事故に当たる可能性がある。

どのような仕事にも事故につながる危険が潜んでいる。従業員も「いつもと同じ作業だから」と過信することなく、万一への備えを怠らないようにしたい。

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