室蘭市立総合病院が2027年度閉院へ、150年の歴史に幕 財政危機で苦渋の決断
北海道室蘭市の青山剛市長は2月26日、厳しい経営が続く市立室蘭総合病院について、2027年度をめどに閉院する方針を表明しました。この決定は、同日開会した定例市議会での市政方針説明で明らかにされ、市の財政が「危機的水準」にあると強調されました。
財政悪化が背景、負債は約85億円に
市立病院によると、病院の負債は2024年度末で約85億円に上ります。市は一般会計から病院事業会計への繰り出しを続けており、2024年度は約16億円、2025年度は約26億円、2026年度には約23億円を支出する方針です。青山市長は、この状況を「市が数年後には財政再生団体に転落する危機的な水準にある」と説明し、閉院は「市立病院開設者として熟考した結果、病院事業会計を閉じる決断をした」と述べました。
150年以上の歴史を持つ病院、患者と職員への影響
市立室蘭総合病院は1872年に開設され、150年以上の歴史を誇ります。22診療科、517床を有し、医師や看護師など約720人が働いています。入院患者は約300人、1日あたりの外来患者は約500人にのぼります。閉院後は、高度急性期・急性期医療は市内の製鉄記念室蘭病院への統合を目指し、他の診療科や患者については地域の医療機関と受け入れ協議を進める予定です。
人口急減で医療再編が進む室蘭市の現状
室蘭市では、急激な人口減少を背景に、市立病院、日鋼記念病院、製鉄病院の3病院が2018年から再編協議を開始していました。当初は西室蘭にある日鋼病院と市立病院の再編を優先する合意がありましたが、日鋼病院が昨年10月に「徳洲会」グループに入ることを表明し、協議は白紙に戻っていました。今回の閉院決定は、こうした人口急減と医療環境の変化に対応した苦渋の選択と言えます。
青山市長は、閉院により市の財政健全化を図りつつ、地域医療の持続可能性を確保する方針を示しています。今後は、患者や職員への支援策を詳細に検討し、円滑な移行を目指すとしています。



