福岡・糸島市のモスク建設計画に反対運動 在日ムスリムが語る「恐怖感じる」異変
糸島市モスク計画に反対運動 在日ムスリムが「恐怖」訴え

福岡・糸島市のモスク建設計画に反対の声 在日ムスリムが「恐怖感じる」異変を語る

福岡県糸島市で、ムスリム(イスラム教徒)のためのモスク建設計画が、SNS上での反対運動に直面している。計画を進める在日ムスリムの当事者は「なんでこんな事態が起こっているのか分からない」と困惑し、非通知電話の頻発などに「恐怖を感じる」と明かした。

エジプト出身の運営者が語る「私が知っている日本ではない」

エジプト出身のモハメド・エルノビさん(55)は、2009年から日本で暮らし、2014年に九州大学で比較文学の博士号を取得した。現在は、福岡県糸島市でムスリムの子供らが通うインターナショナルスクールを運営している。昨年12月末から、市内にモスクを建設するためのクラウドファンディングを開始した。

しかし、今年1月上旬に「異変」を感じたという。SNS上で「糸島市に大型モスクが建設予定」「糸島市を危険に晒します」といった投稿が相次ぎ、反対署名も始まったのだ。エルノビさんは日本人の友人の連絡で状況を知り、因果関係は不明だが、スマートフォンに非通知の電話が頻繁にかかってくるようになった。電話には出ずに警察に相談したという。

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エルノビさんは「私が知っている日本ではない」と語り、この事態に深い困惑を隠さない。15年以上日本に住み、地域社会に貢献してきた経験から、突然の反発に戸惑いを感じている。

九州大学近くのモスク歴史と現在の計画

多くの留学生が通う九州大学のキャンパス近くには、かつてモスク「福岡マスジド」(福岡市東区箱崎)があった。2009年に留学生が中心となり、国内外からの寄付や募金で約2億5千万円を集めて建設を実現させた。しかし、キャンパスが2018年に移転したことで、アクセスが不便になり、新たな礼拝場所の必要性が高まっていた。

エルノビさんが計画するモスクは、インターナショナルスクール内の礼拝室を拡張する形で、地域のムスリムコミュニティに開放することを目指している。クラウドファンディングは、建設資金を集めるための手段として始められたが、反対運動の広がりで計画が頓挫する可能性も出てきている。

反対する日本人女性の意見と専門家の見解

反対運動には、「治安への不安」や「文化的な違いへの懸念」を理由とする日本人女性の声も含まれている。一方で、中東に詳しい専門家は、こうした動きが「誤情報や偏見に基づく可能性がある」と指摘する。日本社会における外国人への理解不足が、不安を増幅させている側面もあるという。

九州大学大学院教授の益尾知佐子氏(中国研究)は「大学の移転でムスリムの方々に多大なご負担をおかけしており、申し訳なく思います」とコメント。九州大学には昔から多くのムスリム学生が在籍しており、礼拝場所の確保は重要な課題だと述べている。

糸島市の見解と今後の展望

糸島市当局は、現時点で正式なコメントを控えているが、計画に関する協議が続けられている。地域の共生を目指す中で、多文化理解の促進が求められる場面だ。エルノビさんは「対話を通じて理解を深めたい」と語り、反対派とのコミュニケーションを模索している。

この問題は、日本社会における移民や外国人の受け入れを巡る議論を浮き彫りにしており、今後の動向が注目される。モスク建設を巡る騒動は、単なる建築計画を超え、多様性と共生の在り方を問う課題として広がりを見せている。

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