母校でユニバーサルデザインの授業を実施
障害者福祉と共生社会の重要性を訴える亀山市在住のユニバーサルデザインアドバイザー、中川桃子さん(36歳)が3月5日、母校である同市立野登小学校(谷京子校長)で特別授業を行いました。今年度で創立150周年を迎えたこの小規模特認校では、複式学級の3年生と4年生合わせて16人の児童が参加し、中川さんの貴重な体験談に耳を傾けました。
白血病や視覚障害の体験を語る
中川さんはまず、自身が経験した白血病や視覚障害について率直に語り、子どもたちに障害への理解を深めてもらいました。その後、「桃子さんと一緒に遊ぶ方法」を事前に考えてきた児童たちと、実際に交流する時間が設けられました。この企画は、児童たちが自発的に中川さんと楽しめる遊びを考案したもので、互いの距離を縮める良い機会となりました。
伝言ゲームと花いちもんめで笑顔溢れる交流
交流の中心となったのは、誰もが参加できるユニバーサルデザインを意識した遊びです。赤組と白組に分かれて行われた背中に文字を書く伝言ゲームでは、「川」から始まったメッセージが、中川さんの背中では「純」と感じ取られ、最後の男児が「目」と答える一幕も。思わぬ展開に児童たちも中川さんも大笑いし、和やかな雰囲気が広がりました。
また、伝統的な花いちもんめも楽しみ、遊びを通じて自然な関わり合いが生まれました。特に印象的だったのは、中川さんが児童の背中に文字を書く際、一人の女児がそっと寄り添い、「ここから書き始めてください」と指に手を添えてサポートした場面です。この自然な行動に、中川さんは深く感銘を受けました。
自然な合理的配慮に感心
中川さんは女児の行動について、「これはまさに障害者差別解消法が求める合理的配慮の提供そのものです。自然にできていたことが本当にすごい」と称賛しました。このような小さな気遣いが、共生社会を築く上で重要な一歩となることを、児童たちは身をもって学んだようです。
校歌合唱で懐かしい時間を共有
授業の最後には、全員で校歌を合唱しました。「紫匂う鈴鹿山 流れは清き石水渓」で始まる歌詞は中川さんの在学時から変わっておらず、懐かしさに包まれたひとときとなりました。谷校長はこの交流授業の意義について、「楽しい時間を共に過ごした記憶は、子どもたちの心に残ります。将来、大きな壁に直面した時、桃子さんを思い出し、乗り越える力にしてほしい」と語りました。
この授業は、単なる知識の伝達ではなく、実際の体験を通じて障害者への理解と配慮の心を育む貴重な機会となりました。児童たちの自然な行動が、地域社会全体の共生への意識を高める一助となることが期待されます。



