93歳男性が港区を提訴 「不要な成年後見」で精神的損害と主張
93歳男性が港区を提訴 「不要な成年後見」で損害賠償請求 (11.04.2026)

「判断能力はある」と主張する93歳男性が港区を提訴

東京都港区に居住する三谷昌平さん(93歳)が、自身には判断能力があるにもかかわらず、港区長の申し立てによって成年後見人が付けられたことにより、財産管理の権利を奪われ、精神的損害を受けたとして、港区に対して100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。この事実が4月11日に明らかになりました。

「不要な成年後見」で権利侵害と主張

三谷さんは、成年後見制度が「判断能力が欠けているのが通常の状態の人」を対象としていることを指摘し、自身にはそのような状態がないと説明していました。しかし、港区長が家庭裁判所に後見開始の申し立てを行い、成年後見人が付けられたことで、財産管理の権利を制限され、精神的苦痛を被ったと訴えています。

三谷さんは取材に対し、「自分で判断でき、後見はいらないと言い続けたのに、港区に無視された」と語り、区の対応に強い不満を示しました。その後、三谷さん自らが家庭裁判所に後見取り消しを申し立て、一定の判断能力が認められたため、既に成年後見は終了しています。

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成年後見制度の仕組みと港区の対応

成年後見制度は、認知症や精神障害などにより判断能力が不十分な人を保護するための制度で、家庭裁判所への申し立ては原則として本人や家族などに限られています。しかし、身寄りがない場合には、市区町村長が申し立てを行うことが法律で認められています。

港区は今回の訴訟について、「個別の事案には答えられない」とコメントしています。一方で、港区議会では、区長が成年後見開始を申し立てた他の事案でもトラブルが相次いでいることが取り上げられており、制度運用の適切性が課題となっています。

高齢者の権利保護と自治体の役割

この訴訟は、高齢化が進む社会において、成年後見制度の適正な運用が求められる問題を浮き彫りにしています。自治体が身寄りのない高齢者を保護する役割を果たす一方で、本人の意思を尊重し、必要以上の介入を避けるバランスが重要です。

三谷さんのケースは、本人の判断能力が適切に評価されなかった可能性を示しており、今後の裁判の行方が注目されます。高齢者の自己決定権と保護の在り方について、社会全体で議論を深める契機となるでしょう。

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