大阪市が障害者就労支援加算金の過大受給疑惑で新たに34事業所を調査
大阪市は12日、障害者就労支援の加算金を過大に受給した疑いがある福祉事業所について、新たに34か所で調査を開始したと発表しました。今回の調査対象は、既に疑惑が浮上している福祉関連会社「絆ホールディングス」傘下の事業所とは異なる施設で、同様の手法による過大受給の可能性が指摘されています。
調査の背景と詳細
大阪市は昨年12月から今年1月にかけて、2024年度から2025年度にかけて加算金の申請があった市内の福祉事業所267か所を対象に調査を実施。その結果、34事業所において「3年ルール」に違反している可能性が確認されました。
「3年ルール」とは、厚生労働省が2024年度から導入した制度で、一度申請された就労定着者について、3年間は再申請できないとする規定です。このルールは、障害者就労支援制度の適正な運用を目的として設けられました。
自主申告せず、市が詳細調査へ
興味深い点は、この34事業所がすべて、市が昨年11月から12月に実施した事前アンケート調査において「3年ルールを遵守している」と回答していたことです。アンケート調査には市内の福祉事業所1649か所が対象となりましたが、問題が発覚した事業所はいずれも自主的な申告を行っていませんでした。
大阪市は今後、これらの事業所に対して聞き取り調査を実施し、自主申告しなかった理由の確認を進めるとともに、障害者総合支援法に基づく行政指導も視野に入れた詳細な調査を実施する方針です。
既存の疑惑事例との類似性
今回新たに調査対象となった34事業所の手法は、既に問題が発覚している絆ホールディングス傘下の3事業所と同様のパターンを示しています。絆ホールディングスのケースでは、利用者を事業所の運営スタッフとして半年間雇用した後、再び利用者に戻すという手法を繰り返し、2024年度から2025年度にかけて計20億円以上の加算金を過大に受給した疑いが持たれています。
同社傘下の事業所は、2024年度に受け取った加算金を含む給付金が計約50億円に上り、これは市内のA型事業所への支給総額の約4割を占める規模でした。
制度改正と今後の対応
厚生労働省は今年1月、絆ホールディングスの疑惑を受けて加算金のルール改正を実施しました。3年ルールに加えて、4月からは加算対象の就労定着者に上限を設け、利用者の定員数までとする新たな規定が導入されます。
同省は、繰り返しの申請について「制度の趣旨と異なる」との見解を示しており、制度の抜け穴を利用した不正受給の防止に力を入れています。
大阪市は今回の調査結果を受けて、過大受給が確認された場合の返還請求や、今後の防止策の強化についても検討を進める予定です。市は現時点で、過大受給が疑われる具体的な金額については明らかにしていませんが、調査が進むにつれて詳細が判明する見込みです。



