ヒグマ駆除後の銃所持許可取り消しは「違法」、最高裁が猟友会員の逆転勝訴を確定
ヒグマ駆除で銃許可取り消しは違法、最高裁が逆転勝訴確定

市の要請でヒグマ駆除、銃所持許可取り消し処分が最高裁で逆転無効に

北海道砂川市の要請を受けて民家付近に現れたヒグマを猟銃で駆除した猟友会の男性が、道公安委員会から銃所持許可の取り消し処分を受けた訴訟の上告審判決が3月27日、最高裁判所第3小法廷で言い渡された。同小法廷は、道公安委員会の処分を違法と判断し、処分の取り消しを命じる判決を下した。これにより、男性の逆転勝訴が確定した。

2018年の駆除行為を巡る長い法廷闘争

事件の発端は2018年にさかのぼる。男性は当時、砂川市からの正式な要請に応じ、住宅地近くで住民の安全を脅かしていたヒグマに対して猟銃を使用して駆除を行った。この行為は市の依頼に基づく公的な対応として実施されたものだった。

しかし、道公安委員会は2019年、この駆除行為において「周囲の建物に弾丸が到達する危険性があった」と判断し、男性の銃所持許可を取り消す行政処分を下した。委員会は発砲行為が周辺住民の生命や身体に危険を及ぼす可能性を指摘したのである。

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一審・二審で真っ向から対立した司法判断

この処分を不服とした男性は道を相手に訴訟を提起し、処分の無効を求めて法廷闘争に臨んだ。

一審の札幌地方裁判所は、男性の行為が市の要請に基づくものであった点を重視し、処分を取り消す判決を下した。裁判所は公的機関の依頼に応じた対応としての正当性を認めたのである。

しかし二審の札幌高等裁判所は全く異なる判断を示した。高裁は「発砲行為によって人の生命や身体を危険にさらした」と認定し、道公安委員会の処分を適法と判断。一審判決を覆し、男性の訴えを退ける判決を言い渡した。

最高裁が下した最終的な司法判断

男性は二審判決を不服として最高裁に上告。そして3月27日、最高裁第3小法廷が最終的な判断を示すことになった。

小法廷は、市の要請に基づいて行われた駆除行為について、その正当性を認める判断を示した。道公安委員会が「周囲の建物に弾丸が到達するおそれ」を理由に銃所持許可を取り消した処分について、違法であると結論づけたのである。

この判決により、一審判決が復活し、男性の逆転勝訴が法的に確定することになった。7年に及ぶ法廷闘争に終止符が打たれた形だ。

野生動物対策と銃規制のバランスを問う判決

この判決は、増加するヒグマ被害への対応と銃器所持の規制という、二つの重要な課題のバランスを考える上で重要な先例となる可能性がある。

一方で、地方自治体が住民の安全確保のために猟友会員に駆除を要請するケースは少なくない。他方、銃器の所持と使用には厳格な安全規制が求められる。今回の最高裁判決は、公的機関の要請に基づく正当な駆除行為について、その法的位置づけを明確にしたと言える。

判決文では具体的な理由付けの詳細は明らかにされていないが、市の要請という公的要素が判断に大きく影響したものと見られる。今後、類似のケースにおいて、行政機関の要請に応じた行為の法的評価に影響を与える可能性がある。

北海道ではヒグマの出没が増加傾向にあり、住民との軋轢が問題化している。今回の判決が、今後の野生動物対策と銃器使用の在り方にどのような影響を与えるか、関係者の注目が集まっている。

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