弁護士谷口太規氏が語る「公共訴訟」の挑戦 一度は辞めた法曹の道で社会変革を目指す
弁護士谷口太規氏が語る「公共訴訟」の挑戦と社会変革

「公共訴訟」で社会の理不尽と闘う弁護士の挑戦

「若い弁護士が公益を担う仕事を避けがち? 私たちが輝きながら仕事をして、魅力を伝えていけばいいのです」と語るのは、弁護士の谷口太規氏だ。国や地方公共団体を相手に、裁判を通じて社会の仕組みを変える「公共訴訟」の先頭を走る一人である。

一度は辞めた弁護士の仕事

谷口氏は弁護士になって10年間、都市型公設事務所や日本司法支援センター(法テラス)などで、声なき人々の代理を務めてきた。しかし、無力感がついて回る日々が続いたという。

「事件が解決しても、依頼者の苦しみの根本原因は変わっていない」と振り返る。そんな中、司法も権力機関ではないかと感じさせる事件に直面し、疲労感が頂点に達した。

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ガーナ出身男性の事件と圧倒的な不均衡

2010年3月、ガーナ出身の男性が在留不認可により強制送還される途中、手や足を拘束され、口を塞がれた状態で亡くなった事件だ。妻と母親が国家賠償訴訟を起こしたが、国側は心臓疾患が原因と反論した。

「こんな常識に反する話を信じる人がいるはずがない」と思った谷口氏だが、国側は医師を証人に立て、弁護団は医学的反論に苦戦した。英語文献を読み、数百枚の書面を準備するも、国の責任は認められなかった。

弁護団は費用のほとんどをポケットマネーでまかない、手弁当で5年間闘った。一方、国には潤沢な資金と人員があった。「圧倒的に不均衡な闘いでした」と谷口氏は語る。

公共訴訟の構造的問題と持続可能性

日本には公共訴訟を制度的実務として行う組織がなく、わずかな弁護士が持続不可能な負担を背負ってきた。谷口氏はこの構造的問題を指摘し、改革の必要性を訴える。

完全に疲れ果てた谷口氏は一時、弁護士を辞める決断をした。しかし、トランプ政権下での経験から、自分に足りなかったものに気づき、再び法曹の道に戻ったという。

若手弁護士へのメッセージと未来への展望

谷口氏は、公共訴訟が社会変革の手段として重要だと強調する。若手弁護士が公益活動に参加しやすい環境づくりが急務であり、自身の経験を踏まえて次のように語る。

  • 公共訴訟を通じて、社会の不正義に立ち向かう意義
  • 持続可能な活動のための制度的支援の必要性
  • 若手弁護士が輝きながら働ける魅力の発信

谷口氏の挑戦は、弁護士という職業の可能性を広げ、社会全体の変革を促す一歩となるだろう。

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