法制審が再審制度見直しを答申 危険運転の数値基準新設やデジタル遺言容認も
法制審が再審制度見直しを答申 危険運転数値基準新設

法制審が再審制度見直しなど4分野の要綱を法相に答申

法制審議会(法相の諮問機関、佐伯仁志会長)は2026年2月12日の総会において、刑事司法制度の重要な見直しに関する要綱を議決し、平口洋法相に対して正式に答申を行いました。この答申を受け、法務省は18日召集の特別国会に関連法案を提出する方針を明らかにしています。

戦後初の再審制度見直し案の核心

今回答申された要綱は、①刑事裁判をやり直す再審制度の見直し②危険運転致死傷罪の要件見直し③成年後見制度の見直し④遺言制度の見直しの4分野にわたっています。

特に再審制度の見直しは、現行の刑事訴訟法が1948年に制定されて以来、初めての本格的な見直しとなる可能性があります。現行制度では証拠開示が不十分で審理が長期化する問題が指摘されており、新たな枠組みが求められていました。

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要綱の主な柱は以下の通りです:

  • 再審請求を早期に選別するスクリーニング仕組みの導入
  • 検察が持つ証拠を開示させる新ルールの設置
  • 開示証拠の外部公開を禁じる「目的外使用」禁止規定

ただし、裁判所の再審開始決定に対する検察の不服申し立て禁止は盛り込まれていません。

日弁連が反対声明 冤罪救済への懸念

日本弁護士連合会(日弁連)は「冤罪被害者の救済を今まで以上に困難にしかねない内容を含んでいる」として、反対する会長声明を発表しています。専門家からは、慎重な審理が必要な再審請求まで早期に棄却される恐れや、無罪につながる重要な証拠が埋もれてしまうリスクが指摘されています。

危険運転に明確な数値基準を新設

危険運転致死傷罪の見直しでは、新たに具体的な数値基準が設けられます。高速度の基準は、最高速度が時速60キロ以下の道路では「50キロ超過」、60キロを超える道路では「60キロ超過」となります。飲酒運転については、呼気1リットルあたりのアルコール濃度が「0.5ミリグラム以上」が基準です。法務省は自動車運転死傷処罰法の改正案を提出する予定です。

成年後見制度を柔軟に デジタル遺言を容認

成年後見制度の見直しでは、利用開始後は原則として終了できない「法定後見制度」を、終了可能な仕組みに改めます。現在は「後見人」「保佐人」「補助人」の3種類がありますが、権限の大きい後見人と保佐人を廃止し、補助人に一本化します。これにより、必要な範囲や期間に応じて柔軟に利用できるようになります。

遺言制度については、パソコンやスマートフォンで作成した「デジタル遺言書」を正式に容認します。遺言書のデータや印字した書面は法務局に保管され、手続きもオンラインで完結できるようになります。法務省は成年後見制度と遺言制度について、民法などの改正案を提出する方針です。

特別国会での成立を目指す

法務省はこれら4分野の関連法案について、特別国会での成立を目指すとしています。これらの制度改革は、日本の司法制度の近代化と利用者視点への転換を図る重要な一歩となる見込みです。法制審議会の答申を踏まえ、今後の国会審議で具体的な制度設計が議論されることになります。

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