衆院選埼玉回顧(下)自民大勝で中小政党が埋没 高市旋風が多党化の流れを一変
衆院選埼玉回顧 自民大勝で中小政党が埋没

衆院選埼玉回顧(下)自民大勝で中小政党が埋没 高市旋風が多党化の流れを一変

2026年2月12日に行われた衆議院選挙において、自民党は埼玉県内の小選挙区で全勝を果たした。近年の政治状況では多党化の流れが進み、中小政党が党勢を拡大してきたが、今回の選挙では「高市旋風」と呼ばれる強い追い風にのみ込まれる形となった。各党の幹部は結果を冷静に受け止め、今後の戦略について模索を続けている。

国民民主「有権者の判断を尊重」

国民民主党埼玉県連の鈴木義弘会長は、自民党の全勝という結果について「有権者の判断である。良いとか悪いとかは、審判を受ける側がコメントすることではない」と淡々と語った。2024年の前回選挙では、14区の鈴木氏と13区の橋本幹彦氏が小選挙区を勝ち抜いていたが、今回は解散直前に出馬が決まった自民党新人の藤田誠氏に敗れた。鈴木氏は「本当に断腸の思い」と心情を明かし、比例復活は果たしたものの、責任者としての無念さをにじませた。

連合埼玉を介して中道改革連合と15選挙区で候補者の競合を避けたことについては、「中道とすみ分けたわけではない。立憲民主党とのすみ分けだ」と説明。今後の候補者調整については「中道がどうするかによる」と明言を避け、慎重な姿勢を見せた。

日本維新の会「与党票は自民に集中」

日本維新の会埼玉県総支部の高橋英明代表は、「最後まで『だったら自民でいいんじゃない』という雰囲気になってしまった」と振り返る。連立与党を組む自民党とは選挙区調整を行わず、自民候補と戦いながら「高市政権のアクセル役」をアピールする難しい立場に追いやられた。高市旋風については「むしろアゲンストの風を感じた」と語り、自身が2区で得票を減らして落選した要因として、与党になったことで「野党票がまるっきりなくなった。与党票は自民に強く流れる」と分析した。

また、川口市長選と日程が重なり、唯一の日曜に活動が制限されたことも影響したという。高橋氏は県代表を辞任する意向を示し、今後の去就については「未定」とした。

参政「政権への期待が上回る」

参政は小選挙区に8人が立候補し、2区では維新の前職を超える3万1千票を獲得。比例北関東ブロックの得票率は8.3%と、前回の3.0%から大きく伸ばして2議席を確保した。県連の青野祐樹副会長は「確実に声は届いてきている」と評価する。

しかし、県内の比例得票は約25万票にとどまり、昨年の参院選で得た約44万票からは大きく減少した。党のパタソンひとみ飯能市議は「突然の解散でもこれだけの候補者を出せたが、結果は残念」と複雑な表情を見せ、「既存の政治でできなかったことを成し遂げようとする中で、高市政権への期待がさらに上回った」と分析した。

共産党「まともな論戦にならず」

共産党は比例北関東で約25万票を得て1議席を維持したが、小選挙区の擁立は6人だけで、比例票の掘り起こしができずに目標の35万票には届かなかった。県委員会の柴岡祐真委員長は「よく踏みとどまったが、急な解散でまともな論戦にならなかった。訴えを有権者に届けられなかった」と悔やんだ。

中道政党の惨敗については「野党第1党が自民党と変わらない政策を掲げたことによる有権者の失望があったのでは」と指摘。リベラル層が共産党に流れる兆候もあったといい、今後に向けて「そこは核心にしたい」と語り、党勢拡大への意欲を示した。

今回の選挙は、高市早苗首相のリーダーシップが有権者に強く支持され、自民党の圧勝につながった。一方で、中小政党はその勢いに押され、埋没する結果となった。今後の政治地図がどのように変化するか、注目が集まっている。