仁淀川町で初の女性議員誕生 古田智子さんがトップ当選、合併後20年の歴史的瞬間
仁淀川町初の女性議員誕生 古田智子さんがトップ当選

合併後20年で初の女性議員誕生 仁淀川町議選で古田智子さんがトップ当選

高知県仁淀川町で、歴史的な瞬間が訪れた。2005年の町村合併で誕生した同町において、初めて女性議員が誕生したのである。1月25日に行われた町議選(定数10)では、無所属新顔の古田智子さん(60)が431票を獲得し、2位に70票余りの大差をつけてのトップ当選を果たした。

「女性の気づき、町に必要」 20年越しの変化

仁淀川町議選は合併後6回目を数えるが、これまでのべ85人が立候補しながら、女性候補者が登場したのは今回が初めてだった。投票率は72.56%と高い関心を集める中、古田さんの当選確実の報が届くと、事務所に集まった支持者約10人と抱き合って喜びを分かち合った。

「智子さん、トップです」「おめでとう!」と祝福の声が飛び交う中、古田さんは「女性の気づきがこの町には必要だ」と語り、新たな視点を町政に持ち込む決意を示した。

東京からIターン 祖父への思いが移住のきっかけ

古田さんは東京生まれの東京育ち。2022年に仁淀川町へIターンで移住し、今回が初の町議選挑戦となった。慶應義塾大学文学部で史学を専攻後、インフラ関連企業などを経て、2013年には官民連携をサポートする会社を東京で起業。現在は約30人の社員を抱える経営者として、高知からリモートで指揮を執っている。

順調なキャリアを築きながら高知への移住を決めた背景には、祖父への深い思いがあった。大学の名誉教授まで務めた祖父は教育の重要性を説き、旧池川町に高校を設立しようと尽力していた。その夢は叶わぬまま他界したが、古田さんは「大好きな祖父が愛した旧池川町のために何かやりたかった」と語り、祖父の家を買い取るなど、強い絆を感じさせる行動を取っている。

観光で有名な山間の町が抱える課題

仁淀川町は高知県北西部の山間に位置し、池川町、吾川村、仁淀村が合併して誕生した。「仁淀ブルー」と呼ばれる仁淀川の美しい流れを生かした観光で知られるが、県内の多くの自治体と同様に人口減少などの課題に直面している。人口は約4300人と小規模ながら、今回の選挙結果は地域の多様性と新たな可能性を示すものとなった。

移住翌年には町観光協会にも関わるなど、地域活動に積極的に参加してきた古田さん。その経験と東京でのビジネスキャリアを活かし、山間部の町が抱える課題解決に取り組む姿勢が有権者の支持を集めた形だ。

専門家からも期待の声

この選挙結果について、Stand by Women代表の濵田真里氏は「合併後20年、6回目の町議選で初めて女性議員が誕生したことは、地方政治の現実をあらためて感じさせる」とコメント。ミュージシャン・文筆家の和田彩花氏も「東京生まれ育ちの古田さんのような方が地方で挑戦してくれることが嬉しい」と評価している。

仁淀川町の政治史に新たな1ページを刻んだ古田智子議員。その今後の活動から、地方自治における女性の参画多様な視点の重要性がさらに注目されることだろう。