福島の商店街に息づく昭和の味、オジマの手作りクッキー
福島市大町の商店街に佇む「パン・洋菓子・喫茶 オジマ」では、昭和の時代から変わらない懐かしい見た目と味わいを誇るクッキーが、地元の人々に長く親しまれ続けています。この店のクッキーは、すべて手作りで、それぞれが独自の製法と特徴を持ち、素朴ながらも深い魅力を放っています。
個性豊かな10種類のクッキー、それぞれに物語がある
オジマのクッキーは全部で10種類あり、一つひとつが別々の製法で作られています。例えば、焦げ茶色で香ばしい「ナンテ」は、瓦せんべいに似たザクザクとした食感が特徴です。砂糖をたっぷり使っており、甘みが強いため、コーヒーとの相性が抜群と言われています。その名前は、発祥地であるフランスのナント地方に由来しており、歴史的な背景も感じさせます。
一方、三日月形の「クレセント」は、厚みがありほろほろとした食感で、優しい甘さが楽しめます。赤と緑の宝石のように輝くサクランボの砂糖漬け、ドレンチェリーがのっており、見た目も華やかで、贈り物としても喜ばれます。特に人気が高いのは、ナンテとクレセント、そしてまだら模様の「マーブル」の3種類です。他にもアーモンド入りやチーズクッキーなど、多様なバリエーションが揃っており、店主の椎根克典さん(54歳)は「それぞれの種類に常連のファンがいる」と語ります。
創業から約90年、変わらぬレシピで手作りを継承
オジマは1933年に創業され、クッキーの販売は約50年前に始まりました。製法は、克典さんの父である正光さん(83歳)が関東の洋菓子店で修業して習得したもので、当時から変わらないレシピを守り続けています。店内の工房で一つひとつ手作りされており、その丁寧な作業が味の一貫性を支えています。
クッキーを買いに来る客層は、正光さんの代からの常連客が多いですが、最近では若い世代の顧客も増加傾向にあります。克典さんは「レトロな雰囲気が受けているのでは」と推測し、素朴な菓子としての価値を強調します。「家でのお茶請けにしたり、身近な人に贈ったり、気軽に役立ててほしい」と話し、日常の小さな幸せを提供する店としての役割を大切にしています。
営業時間は午前10時から午後6時までで、商品がなくなり次第終了となります。月曜日は定休日です。商品の取り置きは電話でも可能で、連絡先は024-522-4429です。この老舗の味は、福島の地域文化を象徴する一つとして、今後も愛され続けることでしょう。



