NZとクック諸島が新たな安全保障協力宣言に署名、対中協定に「大きな制約」との見方
ニュージーランド政府は4月2日、南太平洋の島しょ国であるクック諸島と、新たな安全保障協力の宣言に署名したことを正式に発表しました。この宣言は、外交や防衛面で長年支援を続けてきた両国間の関係を強化することを目的としています。
事前協議を柱に、第三国との動きを監視
新宣言の主な柱は、クック諸島が第三国と行う防衛や安全保障上の動きについて、事前に協議を行うことです。これは、クック諸島が昨年中国と締結した広範な協力協定を念頭に置いた措置と見られています。ニュージーランド側は、中国との接近など地域の安全保障環境への影響を警戒しており、この事前協議メカニズムを通じて透明性を高める狙いがあります。
資金援助を再開、対中協定に「大きな制約」との指摘
同時に、ニュージーランドはクック諸島への資金援助を再開することを表明しました。昨年から計2980万ニュージーランドドル(約27億円)の支援を停止していましたが、新宣言を受けて凍結を解除します。ニュージーランドのピーターズ外相は地元メディアに対し、この新宣言によって、クック諸島と中国が昨年締結した協力協定が「大きな制約」を受けるとの見方を示しました。これは、中国の南太平洋での影響力拡大を抑える意図があると解釈されています。
海底資源を巡る地政学的な背景
クック諸島周辺の海底には、スマートフォンや電気自動車(EV)の製造に不可欠なコバルトやニッケルなどの鉱物資源が豊富に埋蔵されているとされています。中国とクック諸島は昨年2月、海底鉱物資源の開発や気候変動対策などを含む広範な協力で合意しており、ニュージーランドはこの協定の事前協議がなかったことに不快感を示していました。今回の新宣言は、こうした資源を巡る地政学的な競争の中で、ニュージーランドが自国の利益と地域の安定を確保するための戦略的一環と位置付けられます。
共同通信の報道によれば、この動きは南太平洋における大国間の駆け引きを反映しており、今後の地域情勢に影響を与える可能性が高いと指摘されています。ニュージーランドとクック諸島の関係強化は、中国の進出に対する対抗策として注目を集めています。



