世田谷区の等々力渓谷遊歩道が3年ぶり再開 危険木伐採で安全確保
等々力渓谷遊歩道3年ぶり再開 世田谷区が安全整備 (06.04.2026)

世田谷区の等々力渓谷遊歩道が3年ぶりに再開 安全対策と環境改善を実施

東京都世田谷区の等々力渓谷で、倒木の危険性が指摘されていたため2023年7月から立ち入り禁止となっていた遊歩道が、このほど危険木の伐採などの安全対策作業を終え、約3年ぶりに通行が再開されました。23区で唯一の渓谷として知られる人気スポットの復活に、地域住民や訪れる人々から歓迎の声が広がっています。

危険木52本を確認 専門家による詳細調査

問題の発端は2023年7月6日、高さ約20メートルのシラカシが倒れ、遊歩道をふさいでいるのが発見されたことでした。区は翌7日から園内の大部分を立ち入り禁止とし、樹木医による詳細な調査を実施。渓谷内の高木708本を点検した結果、剪定や伐採が必要な危険木が52本確認されました。

区公園緑地課によると、危険木が多かった原因は病虫害の進行に近年の猛暑が重なり、樹勢が弱まったためと分析されています。特に渓谷内は湿度が高く、木の生育環境が厳しい条件にあることが背景にありました。

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困難な作業環境での安全対策

2024年4月から本格的に開始された対策作業では、26本の木を伐採し、16本については剪定を実施。さらに10本については表土の保護や根の保全を行い、樹勢の回復を図りました。

作業は非常に困難を極めました。急傾斜地で遊歩道が狭く、重機が入れないため、作業員が命綱をつけて木に登り、手作業で伐採を行う必要があったのです。このような制約から、作業には長い時間を要することになりました。

木の生育環境改善にも着手

単なる危険木の除去だけでなく、区では木の生育環境そのものの改善にも取り組みました。土留めを施して表土を保全し、斜面には木のくいを打ち込んで土中の水と空気の循環を良くする工夫を実施。これにより、残された木々が健全に成長できる環境づくりを進めています。

谷沢川が浸食して形成されたこの渓谷は、東急大井町線等々力駅近くの区立等々力渓谷公園内に位置し、長さ約700メートルの遊歩道沿いにはケヤキやシラカシなどの樹木が生い茂っています。都会にいながら自然の景観を楽しめる貴重な空間として、年間数十万人が訪れる人気スポットとなっていました。

地域住民から歓迎の声

遊歩道の再開を喜ぶ声が地域から上がっています。カップルで訪れていた近くに住む40代の女性は「時々散歩に来ていたので、利用再開は本当にうれしいです。都内にこんな自然が残る場所は少ないですから。この美しい景観が長く続くことを願っています」と語りました。

世田谷区公園緑地課の中杉広志課長は「様々な工夫をしながら保全活動を進め、早期の開園を実現できました。区内外から親しまれているこの渓谷の、都会とは思えない空間で、訪れる皆さんにゆっくりとした時間を楽しんでいただければと思います」と述べています。

今年3月下旬にすべての作業が完了し、通行が再開された等々力渓谷。安全対策と環境改善の両面から取り組んだ区の努力が実り、再び都会のオアシスとしての役割を果たすことになりました。自然と都市が調和するこの特別な空間が、今後も多くの人々に安らぎと憩いを提供し続けることが期待されています。

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