神奈川県内の政令指定都市を除く全市町村長と黒岩祐治知事が、特別市構想の法制化に反対する要望書を林芳正総務相に提出した。15日、都内の総務省で行われたこの行動は、横浜、川崎、相模原の3政令市を除く30市町村長の総意としてまとめられた。
特別市構想を巡る対立
特別市構想は、政令指定都市が道府県から独立し、県と同様の行政権限を持つことを目指すもの。全国の政令市で構成する指定都市市長会が国に法制化を求めており、国の地方制度調査会でも議論が進められている。しかし、県側はこの構想が県の総合調整機能や財政面、住民代表機能に悪影響を及ぼすと懸念している。
要望書の内容
要望書では、特別市が実現した場合、県の分断により市町村域での連絡調整や補完、広域行政事務に支障が生じると指摘。また、豊かな税財源を持つ政令市の独立が自治体間の格差を拡大させるとし、「特別市制度は住民目線から見て妥当ではなく、大都市制度の選択肢にはなり得ない」と強調。法制化に断固反対する姿勢を示した。
知事と市町村長の行動
この日は鎌倉、藤沢、小田原、厚木、大和、伊勢原、海老名、座間の8市長と寒川、松田の2町長が知事に同行。内野優・海老名市長が林氏に要望書を手渡した。面会は冒頭のみ公開され、終了後、内野氏は記者団に対し、林氏から「今後、オープンな議論が必要。まだ時間はあるので、全国市長会の場などでも発信してじっくり議論してほしい」と伝えられたと明かした。黒岩氏は「住民目線で考えていくことが大事だ」と話し、「われわれの気持ちはしっかりと理解していただけたと思う」と述べた。
政令市との対立
黒岩氏は、横浜、川崎、相模原の3政令市長が13日の緊急声明で「県の主張が制度に対する理解をミスリードし、結果として県内市町村と政令市との分断を助長しかねない」と反論したことにも言及。「冗談じゃない。(30市町村長)皆さん同じ意見であり、私たちが分断しているなんて話は全く受け入れられない」と不快感を示した。
特別市構想を巡る議論は、今後も地方制度調査会などで続けられる見通しであり、県と政令市の間の溝は依然として深い。



