対馬市で陸上自衛隊訓練地誘致、旧校区住民が219人の署名を提出
長崎県対馬市において、陸上自衛隊の訓練地として活用が計画されている旧浅海中学校跡地をめぐり、旧校区の住民が誘致を求める動きが活発化しています。2026年3月30日、同市美津島町鴨居瀬地区の住民7人が比田勝尚喜市長に対し、自衛隊誘致を要望する書面と219人分の署名簿を提出しました。
旧中学校跡地の活用計画と地域の反応
旧浅海中学校は対馬市中央部の小船越地区に位置し、2020年3月に閉校しました。防衛省はこの跡地を購入し、既存施設を利用して年間約10回の訓練を実施する計画を立てています。関連費用は2025年度予算に計上されていましたが、小船越地区の住民が反対を表明しており、市は防衛省に「住民の理解が得られないまま売却するのは困難」と伝えている状況です。
今回提出された署名は、鴨居瀬地区と芦浦地区の住民らが今月に集めたもので、地域内での支持を示すものとなっています。市役所で要望書を受け取った比田勝市長は、「周囲の人たちが同意してくれたのはありがたい。小船越地区に理解してもらった上で売却したい」と述べ、地域全体の合意形成の重要性を強調しました。
訓練地誘致の背景と今後の展望
この計画は、防衛省が既存の施設を活用することで効率的な訓練環境を整備しようとするものです。対馬市は地理的に重要な位置にあり、自衛隊の訓練地としての需要が高まっています。しかし、小船越地区の反対は、騒音や安全面への懸念など、地域住民の生活への影響を考慮したものであるとみられます。
比田勝市長の発言からは、鴨居瀬地区や芦浦地区の支持を評価しつつも、小船越地区を含む周辺地域全体の理解を得ることが不可欠であるとの姿勢がうかがえます。今後の課題としては、防衛省と市が連携して住民説明会を開催するなど、対話を通じた合意形成が求められるでしょう。
この件は、地方自治体が防衛政策と地域の意向をどう調整するかという点で、注目されるケースとなっています。署名提出を機に、より広範な議論が進むことが期待されます。



