シンガポールで開催されたアジア安全保障会議において、中国は米国への批判を控える一方、日本に対して「新型軍国主義」との批判を展開した。しかし、中国の海洋進出に直面するアジア太平洋諸国の間では、この批判に同調する動きは見られず、むしろ日本の防衛協力を評価する声が大勢を占めた。
中国、対米批判を抑制し対日批判を展開
中国は国防相の派遣を見送り、代わりに孟祥青・国防大学教授(少将)を代表団トップとして送り込んだ。孟氏は5月30日の有識者座談会で、ヘグセス米国防長官の演説について「中米関係の安定が両国民だけでなく地域の安定と世界平和につながることを示した」と述べ、好意的に評価した。これは、2025年の同会議で「紛争を作り、対抗をけしかけた」と米国を激しく非難した姿勢から大きく転換したものだ。
中国共産党機関紙傘下の環球時報は、ヘグセス氏が台湾問題に触れなかった点を踏まえ、「米国は『台湾海峡カード』を放棄したわけではないが、トーンダウンした。(5月の)米中両首脳の外交リズムに合わせ始めている」と論評した。
アジア太平洋諸国の反応
中国の「新型軍国主義」批判に対し、アジア太平洋諸国からは同調の声は上がらなかった。多くの国は、日本の防衛協力を高く評価しており、地域の安全保障における日本の役割を歓迎している。特に、中国の海洋進出に懸念を抱く国々は、日本との連携強化を重視している。
今回の会議では、日本の防衛協力が地域の安定に寄与しているとの認識が共有され、中国の批判は孤立したものとなった。



