欧州中銀が日本円保有を大幅拡大、外貨準備の構成見直しを実施
欧州中央銀行(ECB)は2月26日、2025年の財務諸表を公表し、外貨準備における日本円の保有額が前年末から約36%増加したことを明らかにしました。具体的には、2025年末時点の日本円保有額は2兆893億円に達し、外貨準備全体に占める比率は約20%と、前年から約5ポイント上昇しています。
米ドルから日本円への戦略的リバランス
この増加は、ECBが保有する米ドルの一部を売却し、日本円に再投資した結果によるものです。ECBはこの動きについて、「外貨準備の構成を目標に合わせるための標準的なリバランスだ」と説明しており、為替リスクの分散や資産構成の最適化を図った戦略的な措置と見られています。
ECBは為替介入に備えて、総額552億ユーロ相当の外貨準備を保有しており、その中で日本円の比率が上昇したことは、国際金融市場における円の重要性が再認識されていることを示唆しています。
円安の影響で決算は赤字に転落
しかし、2025年の決算では、損益が12億5400万ユーロ(約2300億円)の赤字となりました。この赤字の主な原因は、日本円が対ユーロで下落したことによる評価損です。為替変動がECBの財務状況に直接的な影響を与えた形となり、通貨安が資産価値に与えるリスクを浮き彫りにしました。
今回の発表は、ECBが外貨準備の管理において、流動性とリターンのバランスを模索していることを反映しています。日本円への投資増加は、低金利環境下での資産多様化の一環として注目されますが、為替リスクへの対応が今後の課題となるでしょう。



