H3ロケット8号機の打ち上げ失敗、衛星台座の接着不良が主因と判明
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月13日、昨年2025年12月に発生したH3ロケット8号機の打ち上げ失敗について、人工衛星を搭載する台座で部材の接着が不十分だったことが主な要因である可能性が極めて高いと文部科学省の調査・安全小委員会に報告しました。この報告により、打ち上げ失敗の技術的原因が明らかになりました。
飛行中に接着不良範囲が拡大、台座が大破
JAXAの調査によると、打ち上げられたH3ロケット8号機では、2段目のエンジンが予定より早く停止し、打ち上げは失敗に終わりました。その原因として、飛行中に衛星台座の接着不良の範囲が広がり、台座が大破したことが判明しました。この接着不良が、ロケットの正常な飛行を妨げる重大な要因となったとみられています。
台座の製造工程で想定外の高温が接着不良を引き起こす
問題の衛星台座は、アルミニウム材料を炭素繊維強化プラスチックのシートで挟んだパネルを4枚組み合わせて構成されています。JAXAの分析では、8号機の台座製造において、パネル同士をつなげるための加熱工程で想定より高温になり、一部で接着不良が生じた可能性が高いと指摘されています。
さらに、飛行中に人工衛星の保護カバーが開いた際の衝撃によって、この接着不良の範囲が急激に拡大したと推測されています。この一連の事象が、ロケットの飛行に深刻な影響を与えたと考えられています。
当面は安定した設計の台座を使用、試験打ち上げも計画
JAXAは今後の対応として、当面の間、人工衛星や探査機を打ち上げる場合には、より安定した品質を確保できる設計方法に見直した台座を使用する方針を明らかにしました。これにより、同様の不具合が再発するリスクを低減させることを目指しています。
また、調査結果を裏付けるため、製造済みの台座で発見された接着不良を補修した上で、ダミーの衛星を載せた試験機を打ち上げ、問題が発生しないかどうかを確認する計画も進められています。関係者によれば、最短で今年6月に試験打ち上げを実施する案があるとされています。
種子島宇宙センターからの打ち上げで発生
今回の打ち上げ失敗は、2025年12月に鹿児島県の種子島宇宙センターから実施されたH3ロケット8号機の打ち上げにおいて発生しました。日本の宇宙開発の重要な拠点である同センターでの事象として、関係者の間で深刻に受け止められています。
JAXAは今回の報告を踏まえ、衛星台座の設計や製造工程の見直しを進めるとともに、今後の打ち上げミッションの安全性向上に全力で取り組む姿勢を示しています。日本のロケット技術の信頼性回復に向けた取り組みが、今後も注目されていくことでしょう。



