高市早苗首相は12日の閣僚懇談会において、米国新興企業アンソロピック社が開発した最新の人工知能(AI)「クロード・ミュトス」が悪用される可能性を踏まえ、サイバー攻撃への懸念から対策の検討を指示した。この指示は、松本尚サイバー安全保障担当相に対して行われ、佐藤啓官房副長官が同日の記者会見で明らかにした。
背景と指示の詳細
アンソロピック社は、安全性に重点を置いたAI開発で知られる米国の新興企業である。同社の最新AI「クロード・ミュトス」は、高度な自然言語処理能力を持つ一方、悪用されればサイバー攻撃の自動化や高度化につながる恐れがあると専門家は指摘する。首相はこうしたリスクを重視し、政府として早急に対応策をまとめるよう松本担当相に指示した。
佐藤官房副長官は記者会見で、「首相からは、最新AI技術の悪用によるサイバー攻撃の可能性を踏まえ、必要な対策を検討するよう指示があった」と説明。その上で、政府として重要インフラ事業者などへの影響を考慮し、包括的な対策パッケージを策定する方針を示した。
松本担当相の見解
松本サイバー安全保障担当相は別途記者会見し、サイバー攻撃への対応について「喫緊の課題である」と強調。「政府として対策パッケージを速やかに取りまとめたい」と述べ、重要インフラ事業者に対して具体的な対策を提示する考えを示した。具体的な内容については現在検討中だが、AIの悪用を防ぐための技術的ガイドラインや監視体制の強化が含まれる見通しである。
今後の展開
政府は、関係省庁と連携し、年内をめどに対策パッケージを策定する方針。特に、電力や通信、金融などの重要インフラ分野での対策を優先する。また、国際的な協調も視野に入れ、米国など先進国との情報共有や連携を強化する方向だ。専門家からは、AI技術の進展に伴い、新たな脅威に対応する法整備の必要性も指摘されている。



