イタリアで司法改革の憲法改正国民投票が開始、政治的な緊張が高まる
イタリアで22日、司法改革を目的とした憲法改正の是非を問う国民投票が始まりました。この投票は、メローニ政権が「左派偏向」とみなす司法組織の改革を進める内容で、野党側は強く反発しています。国民投票は23日まで行われ、即日開票される予定です。改正案が成立するには、過半数の賛成が必要となります。
司法独立の歴史と現在の課題
イタリアでは、かつてファシズム時代に司法の独立が失われた苦い経験から、政府から独立した機関として「最高司法評議会(CSM)」が設立されました。この機関は、裁判官と検察官の人事や懲戒などの権限を一括で持っており、裁判官が検察官に転身するキャリア変更も認められています。
しかし、与党側は、この制度によって裁判官と検察官の関係が近すぎるため、公平性や信頼性が欠如していると批判しています。特に、CSM内で強い影響力を持つ左派が、捜査や司法判断を通じて右派政治家への攻撃や政策妨害を行っていると主張してきました。
改正案の内容と政治的対立
今回の憲法改正案では、CSMを裁判官と検察官で分割し、キャリアの完全分離などを盛り込んでいます。この改革は、多数の疑惑で捜査を受けたベルルスコーニ元首相の「悲願」だったこともあり、政治的意味合いが強いものです。
野党側は、改正案が「政府の司法干渉につながり、司法は弱体化して政治家の犯罪が増える」と批判し、激しい反対運動を展開しています。一方、メローニ首相はポッドキャストなどに出演して賛成を呼びかけるなど、積極的なキャンペーンを行ってきました。
国民投票の結果と政治的影響
世論調査では、賛否が拮抗しており、結果は予断を許しません。メローニ首相は、否決されても辞任しないと明言していますが、否決されれば首相の求心力低下は必至と見られています。これは、来年に控えた総選挙に向けて、野党勢力が勢いづく可能性があるためです。
国民投票の行方は、イタリアの司法制度の将来だけでなく、政治的な勢力図にも大きな影響を与えることになります。国内外から注目が集まる中、投票結果が待たれています。



