ウクライナ侵攻から4年、長野のNPOが心のケアシェルターを現地で整備
ロシアによるウクライナ侵攻から、2026年2月24日で4年を迎えます。この長引く戦闘の中で、国内避難民の心のケアが急務となる中、長野県松本市に拠点を置く認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)は、ウクライナ西部で心理的サポートを提供するシェルターの整備を積極的に進めています。理事長の神谷さだ子さん(73)は、「心理的なケアを怠れば、新たな憎しみを生み出す連鎖を招きかねません。その連鎖を断ち切るために、私たちは活動を続けています」と語り、支援の重要性を強調しました。
チェルノブイリ支援からウクライナ侵攻支援へ
JCFは1991年、ウクライナで1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の汚染地域への医療支援を目的に、諏訪中央病院(長野県茅野市)の名誉院長である鎌田実さんと、当時松本市の神宮寺住職だった高橋卓志さんを中心に発足しました。これまでにウクライナと隣接するベラルーシへ計101回の医師団を派遣し、小児白血病などの治療に携わってきました。
しかし、2022年にロシアがウクライナに侵攻を開始して以降は、医師団の派遣を中止せざるを得なくなりました。代わりに、避難民への食料や衣料品の購入支援を開始し、ウクライナ西部の都市ウジホロドや、ポーランド、ブルガリアにいる支援者を通じて、継続的に募金を送り続けています。
教会の建物を活用したシェルターの開設
シェルターは2026年1月、ウジホロドから約40キロ離れた森林地帯に開設されました。現地の教会が所有する建物を活用し、改修工事を進めながら避難民を受け入れています。この施設では、心理学者や事前にトレーニングを受けた支援員が対応し、以下のようなプログラムを提供しています。
- グリーフケア:大切な人を失った苦しみを癒やすための心理的サポート。
- トラウマサポート:サイレンが鳴ると体が震えるなど、心的外傷を抱えた人々へのケア。
- 子どもや退役兵向けプログラム:将来的に実施を予定している、特定のグループに向けた支援。
1月には29人の避難民を受け入れ、利用者からのアンケートでは「必要なサポートを受けることができた」といった肯定的な回答が寄せられています。
整備費用と国際的な支援
シェルターの整備費用は1500万円を超える見込みです。人道支援に取り組む認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(東京)からの助成金1千万円を活用し、残りの資金はJCFが寄付を募って調達しています。JCFの医療コーディネーターを務めるイラク人医師のリカ・アルカザイルさん(56)は、過激派組織「イスラム国」(IS)の迫害から日本に逃れた経験を持ちます。「同じ経験をした者として、避難民の気持ちがよく理解できます。厳しい生活の中でも、心の平和を取り戻せるよう、できる限りのことをしたいと考えています」と述べ、自身の経験を活かした支援への意欲を示しました。
寄付や活動に関する問い合わせは、JCF(電話0263-46-4218)までお願いします。



