ICCがドゥテルテ前大統領の起訴可否審理を開始 「麻薬戦争」人道罪で
国際刑事裁判所(ICC)は23日、フィリピンでの薬物犯罪対策「麻薬戦争」を巡り、ドゥテルテ前大統領(80)を人道に対する罪で起訴するか否かを判断する審理を開始した。 ドゥテルテ氏本人は欠席し、審理は27日まで続き、その後60日以内に結論が示される見通しだ。
「暗殺団」組織の疑いと強権的な治安対策
ドゥテルテ氏は、南部ダバオの市長と大統領を務めていた2013年から2018年にかけて、76人の殺害と2人の殺人未遂に関与した疑いが持たれている。ダバオでは、警察官やプロの殺し屋からなる「暗殺団」を組織し、強権的な治安対策を主導したとされる。
大統領として薬物犯罪の取り締まりを強化し、数千人が超法規的に殺害されたとみられている。この「麻薬戦争」は、国際社会から人権侵害として批判を浴びてきた。
審理の進捗と今後の見通し
ICCの赤根智子所長が率いる裁判所は、ハーグで審理を進めており、ドゥテルテ氏の弁護団と検察側が証拠を提出する予定だ。審理は27日まで続き、その後60日以内に起訴の可否が決定される。
この審理は、フィリピン政府がICCからの脱退を表明した後も、国際的な司法手続きが進められることを示す重要なケースとなっている。関係者は、結論が国際人権法や刑事責任に与える影響を注視している。
ドゥテルテ氏はこれまで、ICCの管轄権を否定し、国内問題として処理すべきだと主張してきた。今回の審理は、その立場と国際的な対応の衝突を浮き彫りにする可能性がある。



