金正恩氏が住宅政策で生活向上を演出 2035年「社会主義強国」実現へ向けた飛躍期に
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、国民の生活向上を演出しやすい住宅政策に力を入れていることが明らかになった。北朝鮮メディアは、経済5カ年計画の一環として今後37万戸の住宅を各地に整備すると報じており、金氏には2035年までに「社会主義強国」を実現させる15年間の長期構想もある。次の5年を「飛躍期」と位置付ける中、住宅整備はその重要な柱となっている。
鴨緑江沿いでの急ピッチの住宅建設と国境沿いの開発競争
中国との国境を流れる鴨緑江沿いでは、2024年夏に大規模な洪水被害が発生した後、老朽家屋を撤去し、急ピッチで高層住宅の建造が進められた。この地域では、今月25日には北朝鮮の若い女性たちが周辺をレジャーボートで川下りする姿も確認されており、娯楽に興じる人々の様子が伝えられている。
北朝鮮は国境沿いの開発を巡って中国に競争心を示すことがあり、住宅整備や娯楽活動は、中国側への宣伝戦の可能性があると指摘されている。一方で、中心部を離れた川上の北朝鮮側では、老朽家屋が数多く点在している実態も残っており、開発の格差が浮き彫りになっている。
過去5年の実績と今後の計画
北朝鮮は過去5年の住宅政策で、各地に36万戸近くを新設または改築したと発表している。これは、経済成長と国民生活の改善をアピールするための重要な施策として位置付けられており、金正恩氏の指導下で継続的に推進されている。
2035年までの「社会主義強国」実現を目指す長期構想の中では、住宅政策が生活水準の向上を象徴する要素として強調されており、今後の5年間が「飛躍期」とされる中、さらなる整備が期待されている。この取り組みは、国内の支持獲得と国際社会へのイメージ向上を両立させる戦略的な側面も持っている。



