トランプ前米大統領は22日、声明を発表し、パリ協定からの再離脱を表明した。バイデン大統領が同協定への復帰を決めたことを「国家的な恥辱だ」と強く非難し、自身が再選された場合には直ちに離脱手続きを開始する方針を示した。
トランプ氏は声明で、「パリ協定は米国に不公正な負担を強いるものであり、雇用を破壊し、経済成長を阻害する」と主張。バイデン政権の気候変動政策を「過激な環境主義」と批判し、米国のエネルギー自立を優先する考えを強調した。
バイデン政権の反発
これに対し、バイデン政権の高官は「パリ協定は世界の気候変動対策の基盤であり、米国が再び離脱すれば国際的な信頼を損なう」と反論。ホワイトハウス報道官は「トランプ氏の主張は事実に基づいておらず、米国のリーダーシップを弱めるものだ」と述べた。
専門家の間では、米国の離脱が世界の温室効果ガス削減目標に与える影響が懸念されている。気候変動に関する国際パネル(IPCC)の報告書は、各国の排出量削減が不十分な場合、地球温暖化の進行が加速する可能性を指摘している。
国際社会の反応
国連のグテーレス事務総長は「気候変動は全人類の課題であり、大国のリーダーシップが不可欠だ」と述べ、米国の離脱再開に懸念を示した。欧州連合(EU)のフォンデアライエン委員長も「パリ協定は唯一無二の枠組みであり、米国には引き続き参加してほしい」と訴えた。
一方、中国やインドなどの新興国は、米国の動向を注視しながらも、自国の排出削減目標を堅持する姿勢を示している。
トランプ氏の発言は、2024年の大統領選挙を見据えたものであり、気候変動対策が再び政治的な争点となることが予想される。



