トランプ米政権は17日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を国連に正式通告した。これにより、米国は2027年1月に協定から脱退する見通しとなった。パリ協定は2015年に採択され、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑える目標を掲げている。トランプ氏は前政権時代の2017年にも離脱を表明したが、バイデン前政権が2021年に復帰していた。今回の再離脱は、トランプ氏が大統領選で公約していたもので、就任後速やかに手続きを進めていた。
国際社会への影響
米国の再離脱は、世界の温室効果ガス削減努力に大きな打撃となる。米国は中国に次ぐ世界第2位の排出国であり、その離脱によりパリ協定の実効性が問われることになる。また、米国の脱退は他の排出国に対しても悪影響を及ぼす可能性があり、国際的な協調行動が難しくなると懸念されている。
EUや中国の反応
欧州連合(EU)は遺憾の意を表明し、気候変動対策の重要性を改めて強調した。一方、中国は自国の排出削減目標を堅持する姿勢を示しているが、米国の離脱により国際的な圧力が弱まる可能性もある。専門家は、米国の離脱が気候変動対策の進展を遅らせるだけでなく、新興国や途上国への支援にも影響を与えると指摘する。
国内政治の動き
米国内では、環境団体や民主党が離脱に反発しており、法的措置も検討されている。しかし、大統領の外交権限により、議会の承認なしで離脱手続きが進められるため、覆すのは難しいとみられる。トランプ氏は、パリ協定が米国の経済成長を阻害していると主張しており、化石燃料産業の振興を優先する姿勢を明確にしている。
今回の離脱通告により、米国の気候変動政策は大きく後退することになる。2025年に予定されている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)では、米国の不在が議論の焦点となる見通しだ。世界の気候目標達成に向けた道筋は、一層不透明さを増している。



