南極の平和利用や環境保護などを議論する「南極条約協議国会議」に合わせて広島市を訪れている科学者らが13日、平和記念公園内で、南極の氷が解けた場合の海面上昇リスクを示し、気候変動対策の緊急性を訴えた。南極に関わる非政府組織(NGO)代表団は松井一実広島市長を表敬訪問した。
海面上昇のリスクを可視化
公園では中国、チリ、トルコなど6カ国の7人が黄色いロープを高さ1メートルに上げて並び、広島市中心部の浸水を想定した衛星写真を示した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の推定によると、2070年までに最大1メートルの海面上昇が起こるとされる。
科学者らの強い危機感
NGO代表団の一員である南極研究者は「南極の氷床は急速に減少しており、このままでは沿岸都市に壊滅的な影響が出る。行動を急がなければならない」と強調。参加者らは温暖化防止に向けた国際的な協力の重要性を改めて訴えた。
今回のアクションは、南極条約協議国会議の開催地である広島で、被爆地としての平和への願いと気候変動対策を結びつける狙いがある。科学者らは「広島は核兵器の惨禍を経験した都市。気候変動も同様に人類の脅威であり、迅速な対応が必要だ」と述べた。
広島市の松井市長は表敬訪問で「気候変動は地球規模の課題。広島としても再生可能エネルギーの推進など、できることから取り組む」と応じた。



