アデリーペンギンがプランクトン捕食、鮮明映像を初めて捉える
アデリーペンギンがプランクトン捕食の鮮明映像

国立極地研究所(東京)などの研究グループは、南極に生息するアデリーペンギンが、海中でプランクトンの一種「有殻翼足類」を捕食する様子を鮮明な映像で捉えることに成功した。この成果は、2026年5月3日に発表された。

バイオロギング技術で新たな発見

研究グループは、ペンギンの背中に小型ビデオカメラを取り付けて行動を記録する「バイオロギング」の手法を採用。これまでアデリーペンギンの主な餌は魚やオキアミとされていたが、有殻翼足類を捕食する姿を収めた映像は世界初となる。

撮影の詳細

2024年12月から2025年1月にかけて、南極のフランス基地「デュモン・デュルビル基地」周辺で、アデリーペンギン8羽の背中にカメラを装着。計87時間の映像を分析した結果、7羽が合計1449回にわたり翼足類を捕食する様子が確認された。

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翼足類とは

有殻翼足類は、浮遊性の軟体動物で、大きさ約20ミリと約5ミリの2種が今回捕食された。殻を持つプランクトンであり、海洋酸性化や水温上昇などの環境変化に敏感とされる。

生態系への影響

極地研の渡辺日向特任研究員(動物行動学)は、「有殻翼足類は環境変化の影響を受けやすく、個体数が変動するとペンギンを含む南極の食物網全体に影響を与える可能性がある。将来の生態系変化を考える上で重要な成果だ」と説明する。

この発見は、南極の生態系における食物連鎖の理解を深めるだけでなく、地球温暖化や海洋酸性化が南極の生物多様性に及ぼす影響を評価する上で貴重なデータとなる。

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