韓国、戒厳令規制強化の憲法改正案を閣議決定 国会権限拡大へ
韓国政府は4月23日、戒厳令に対する国会の権限強化を柱とする憲法改正案を閣議決定しました。この改憲案は与野党6党などが国会で発議したもので、実現すれば1987年の民主化以降、初めての憲法改正となります。
2024年の混乱を踏まえた制度改正
今回の改正議論は、2024年12月に尹錫悦大統領(当時)が「非常戒厳」を宣言し、社会が混乱したことを受けて本格化しました。戒厳令の乱用を防ぐための制度改正が求められていたのです。
改憲案では、大統領が戒厳令を宣言する際に速やかに国会の承認を得ることを義務付けています。具体的には、48時間以内に承認が得られない場合、あるいは国会の過半数が解除を議決した場合には、戒厳令の効力が直ちに失われると規定しました。
厳しい成立条件と政治的な焦点
憲法改正が成立するためには、まず国会で在籍議員295人の3分の2以上、つまり197人以上の賛成を得て可決される必要があります。その後、国民投票で過半数の有権者が投票し、その過半数の賛成を得なければなりません。
政府与党は国民投票の投票率を確保するため、6月3日に実施される統一地方選挙と同時に国民投票を行いたい考えを示しています。
国会での発議には、与野党6党と無所属議員を合わせて計187人の議員が参加しました。今後の焦点は、発議に参加しなかった保守系最大野党「国民の力」から10人以上の賛成を得られるかどうかにかかっています。
歴史的な意義と今後の展開
この憲法改正案が可決されれば、韓国では1987年の民主化以降、初めての憲法改正となります。戒厳令に関する国会の権限強化は、大統領の権限を抑制し、民主的なチェック・アンド・バランスを強化する重要な一歩と位置付けられています。
今後の国会審議では、与野党間の駆け引きがさらに活発化することが予想されます。特に「国民の力」の対応が改憲成立のカギを握っており、韓国政治の重要な転換点となる可能性があります。



